- Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003392416
感想・レビュー・書評
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なんの疑いもなく扱っていた「数」そのものを厳密に定義しようとしたこの試みが現代数学に新たな道を開いたといっても過言ではないだろう。デーデキント以前は連続、無理数、自然数を「そういう物」として扱っており、また証明も幾何学的直感に頼っていたが、以降は数学的に厳密な証明を求めるように変化している。数学の発展に寄与したことは間違いないが、数学をよくわからないものへと変貌させるきっかけになってしまったと言えなくもない。ただ、デーデキントのこの著作自体は非常に読みやすい。第二篇の証明も特にテクニックを駆使しているわけではないので丁寧に追っていけば何を言っているのかは理解できると思う。
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新書文庫
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(1969.01.13読了)(1966.06.29購入)
*解説目録より*
「切断」の概念を用いて数の連続性を規定し無理数の概念を明確にした代数的数論の古典的著作『連続性と無理数』と『数とは何か』の二編を収める。無理数論および自然数論において数学の基礎の確立に寄与したこの著作は、説明が鮮明であるため微分積分への導入としてとくにすぐれており、一般のものが読んでも極めて興味深い。
☆関連図書(既読)
「無限と連続」遠山啓著、岩波新書、1952.05.10 -
大学に入ってから本格的に数学を勉強するきっかけになった本
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いわゆる「Dedekindの切断」が記載された、Dedekindによる実数を取り扱った1部及び集合論を用いた自然数論の2部からなる本。
偉大なる数学者による数学書であり、一部もはや正しくないことが示された部分があるものの(無限集合の存在)、集合というものを公理から作り上げた、公理的集合論の作り手として、読む価値は非常に大きい。この本が300円で売られていた時代がうらやましい。。