作品紹介・あらすじ
旅と書物をこよなく愛したフランスの作家ラルボー(1881‐1957)の代表作。短篇小説と詩と日記から成る"全集"という風変わりなこの作品は、いわば"逆向きの教養小説"だ。幼くして両親を失い、莫大な遺産を相続した主人公は、億万長者というばかげた境遇を捨て去り、一個の人間として生きるためにヨーロッパ各地を放浪する。
著者プロフィール
(Valery Larbaud 1881–1952)
フランスの小説家・詩人・批評家・翻訳家。フランス中部ヴィシーに生まれる。幼年期より外国各地を旅した経験を基にした、コスモポリタンの青年バルナブースを主人公とする『裕福なアマチュアの詩』で作家デビュー。この作品を改作した『A・O・バルナブース全集』が代表作となる。少年少女の独自の内面を鮮やかに描き出す小説、「内的独白」を用いた心理小説を多く発表。創作活動に加え、該博な知識と豊かな語学力を駆使した国内外の作家や作品についての批評活動、ジョイス、バトラーの作品をはじめとした翻訳活動を精力的に行なった。
「2022年 『聖ヒエロニュムスの加護のもとに』 で使われていた紹介文から引用しています。」
ヴァレリー・ラルボーの作品
この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。