わたしの「女工哀史」 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003811610

作品紹介・あらすじ

『女工哀史』の著者細井和喜蔵(1897‐1925)の妻高井としを(1902‐83)の自伝。10歳で紡績女工になり、労働運動を通じて和喜蔵に出会い、事実上の共作者として夫の執筆を支えた。戦争を挟んだ貧しさのなか、ヤミ屋や日雇い労働で5人の子を育てながら、社会保障を求めて闘いつづけた生涯の貴重な記録。

感想・レビュー・書評

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  • 本当は『女工哀史』を読みたかったんだが、手に入らなくて代わりに読んだけど、何の何の、これはこれでなかなか良い。『女工哀史』の著者、細井和喜蔵の妻、高井としをさんの書かれた本。たいへんな思いをして戦前、戦中、戦後を生き抜いてきた女性の、伝記のような1冊。
    今をのほほんと生きていることが申し訳なくなる。

  • 女工哀史もすごいけど、その著者の奥さんで本書の著者高井としをさんも相当すごい。

    ただ哀しい女工だったわけではなく、大いに学び大いに戦う女工であった記録。

    吉野作造、イプセンなどから、女性や人間のあるべき姿を学んで、自分達や仲間たちのおかれた環境を改善するために当局と戦っていく姿に大いに力づけられる。

    細井さんとの夫婦の在り方、高井さんとの夫婦のあり方、子どもを亡くす経験を経て、5人の子どもを一人で育て上げるという、すさまじい生命力。

    私たちがいま、ワーキングマザーで大変、とか言ってるのは、著者にとってみれば鼻で笑えるレベルだろう。

    こんな人たちがいてくれたから、今の社会の安心や豊かさがあるのだと、しみじみ振り返る。

    メモ
    吉野作造: 労働者は話し合い、学び合い、団結することによって生活の向上ができる。

  • 社会を受動し、社会に挿入された人が、しかし社会に対して「能動」する。その力強さに勇気をもらう。

    自分の興味としては、こうした個人史を丹念に読み解いていく中で見えて来る「社会」や歴史の「枠」であったり、またこうして「文字」になっていることで、たしかに「こういう人がいた」「こういうことがあった」ということが後世へと伝達されていく、そこに何か自分のやっていきたいことがあるなぁと。

  • 面白かった。こんなに強く生きてみたい。

  •  
    ── 高井 としを《私の女工哀史 1980‥‥ 20150516 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003811615
     
    ── 細井 和喜蔵《女工哀史 1924‥‥ 改造 19540725-19711120 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JB6E2I
      
     細井 和喜蔵 作家 18970509 京都 19250818 28 /高井 としをの夫
    ♀高井 としを    1902‥‥ 岐阜 19831109 81 /
     
    (20091203)(20190609)
     

  • 289.1||Ta

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