- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004110620
感想・レビュー・書評
-
――――――――――――――――――――――――――――――
フランスの文化が占めている地位を、アジアで占めているのは中国文化、それから古代ギリシャやイスラエルの文化が占めている地位をアジアで占めているのは古代インドの文化だというのです。
ところがアジアでは、結局はっきりとイスラエルにあたる役割をはたすものは出てこなかった。
仏教の一つの宗派――たぶん浄土真宗でないかと思う――がそういう方向を指し示していたといっています。145
――――――――――――――――――――――――――――――
自分はプロテスタンティズムの倫理だけで資本主義の発生を、いや資本主義の精神の発生をさえも説明できたとは思っていない。
それには、政治的な、あるいは経済的な、その他さまざまの利害状況もまたあずかって力があったのであって、その双方から接近することこそが不可欠なのだ、と。193
――――――――――――――――――――――――――――――詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヴェーバーとマルクスに関しての紹介。
大塚久雄的ヴェーバー社会学に関する基礎となる理論を易しめに提示。歴史過程のダイナミクスは理念と利害状況の緊張関係、もっと詳しく言えば、理念と内的‐心理的利害状況と外的‐社会的利害状況の利害状況とのこと。むむむー。
いつか読むかもしれないヴェーバー作品への予習です。 -
ヴェーバーとマルクスの採った社会分析の手法を解説。
口語でちょっと要点はつかみづらいけれど、両者、とくにヴェーバーに関する記述は秀逸。 -
メモ
ウェーバーもマルクスもまともに読んだことがない身としては、入門書として読んだ。
社会科学で人間の全てを説明・解明できるわけではない。欠点もある。でも、社会科学は人間や社会を理解する上で便利で役に立つ一つの方法だ。
マルクスは社会を生産関係(経済的側面)から分析する。ヴェーバーは人の動機から因果関係を追求し、社会現象を科学的に分析する。それぞれ問題や欠点や不十分なところがある。だからってすぐに捨ててしまうのは惜しい。どこがおかしくて、不十分なのか知っていれば、ヴェーバーやマルクスがやろうとした社会科学は十分に役にたつ。