私は赤ちゃん (岩波新書 青版 377)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004121367

作品紹介・あらすじ

はじめての赤ちゃん。待ちに待った誕生。しかし、新米の母親父親にとって子育ては不安の連続でもある。授乳のしかた、衣服の調節、夜泣き、離乳、加えて下痢や発熱、ひきつけなど赤ちゃんの病気も多い。ゆったりした楽しい気持ですこやかな赤ちゃんを育てるために、家庭は、社会はどうあってほしいかを、赤ちゃんの目を通して考える。

感想・レビュー・書評

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  • 自分が父親とてどのようにならなければならないのか、どうように考えていけばいいのか、という参考になればと思って手にした本の一冊。
    この初版は1960年、今から57年も前に出版された本でありながらも、現在でも読まれ続けている本であることから興味をひかれた。

    「吾輩は猫である」と同じく「私は赤ちゃん」はタイトルが指し示すとおり、主人公が生まれたばかりの赤ちゃんである。
    それは赤ちゃんにもちゃんと自覚があり、個性がある。育児書が全てではない。と伝えたかったのだと思う。
    うちの娘も言葉には出来ないが、そういった意思があるんだよな、と改めて考えるようにあった。

    作者の松田道雄先生は、この本を赤ちゃんを病気と考えたいきさつ、その親の心配の起こる状況をはっきりさせれば、親の心配も減るだろうとということで、親の心配の症状論として綴ったらしい。
    正直、今のわたしにはよく変わる。娘が大声でなくと、どこか痛いんじゃないのか、熱があるんじゃないのか、とすぐに考えてしまう。

    腸重積、麻疹(はしか)、喘息、小児マヒなどが病気が出てくる度、我が子がかかったらどうしよう、と心配事がふえた気もする。
    小児マヒなんてしならなかった。いや、知っていたし、テレビなどでは見ていたはずだ。でも、自分には関係無と素通りしていたんだろう。本書のなかでは好きな小児マヒになる子を産んだわけではない、台風にあたってしまうのと同じで不運なだけ、でも不運だからといって投げ出すわけにはいかない、そうだと思う。

    育児書などのマニュアルだけでなく、ちゃんと我が子を親の目で日々見守っていかなければならない、と思わえてくれる本だった。

    最後に、要所々々に赤ちゃんのイラストがあるのだが、無機質に見えたそのイラストが読み進めるにつれて、とても愛らしくみえてきた。

  • 子供が生まれて最初に手に取ったのがこの本で良かった。

    病気に関することだけでなく、育児への心持ちに余裕が出るようなアドバイスもあり、それが赤ちゃん目線で書かれているのでなんとも笑いながらすんなり入ってくる。

    いわさきちひろさんの挿絵がまた物語をあたたかくしている。

  • 母親に勧められて、実家の本棚を30年以上暖めていたこの本を読んだ。子育てに古いも新しいもないなと思った。人の営みは脈々と受け継がれていくんだ。

  • 赤ちゃんの目線から見た世間や人々のありようがよくわかる。育児の参考にしたい。

  • 赤ちゃん視点で綴られる日常、1960年に書かれたとは思えないほど進歩的で社会問題にも言及している
    赤ちゃんは意思疎通できないだけで本当は色々理解しているのかもなんて思った
    親が過剰に心配する描写なんかはいつの時代も普遍的
    今は育児に関してもネットがあるから昔よりは色々調べられるし便利になったけれど、かえって情報が溢れて錯綜してるのでそれも良し悪しだと思う

  • 赤ちゃんが主語なの、新鮮で面白く読みました。ただ、時代はかなり古くて、自分の育児に参考にする、とかではなさそう。

  • わたしの能力を試したいだけなのだ!

    ショート・ショートみたいな心地よい文章でした。
    親友の出産祝いにあげたい。

  • 1960年発行の本なので古い情報もあるが、赤ちゃんとそれを取り巻く家族や社会の姿はそんなに変わっていないと思わされる。良くも悪くもであるが。また文章が軽快で読みやすく、時代の感じられる風景も楽しい。

  • 赤ちゃん目線で描かれる痛快なエッセイ風の読み物。肩の力を抜いて子育てできそう。思わずクスッと笑ってしまう短編集。育児の合間にストレスなく読める。

    古本でプレゼントして頂いた。

  • 赤ちゃん視点で語られているのがおもしろい!しかも書いているのは男性の医師。
    1960年という、自分の産まれる前の時代は色々大変だったんだなと、思う本。育児の参考には古すぎてならないかも(笑)

  • 赤ちゃん視点で育児を語った本です。

    各家庭の状況を見ない育児書通りの育児を皮肉っています。
    また、赤ちゃん用施設のない遊園地を批判したりしています。

    1960年代に書かれた本なので多少現代にそぐわない内容もあります。

  • 2017.07.19 品川読書会で紹介を受ける。

  • まもなく次女に子どもが生まれるので読んでみた。私が生まれた1960年に書かれた本だか、赤ちゃんからの視点というのが面白く、勉強にもなった。医療情報としては古いものもあるのだろうが、赤ちゃんファーストの視点は今も子育ての基本として有効だろう。

  • 妊娠7カ月に入り、産後の育児に不安を感じたので読んでみた。具体的に育児の様子がわかり、イメージができた。古い本で、時代背景は異なるものの、内容は現代でも十分に参考になる。

    赤ちゃんは何でも分かっている、とよく言われるが、本当にそうなのかもしれない。泣くことしか表現方法を知らないだけで、いろいろなことを感じ、それを泣くことで親に訴えかけているのだ。生まれたばかりのときは、おなかがすいた、暑い、寒い、といったことを泣いて訴えるが、2~3カ月すると脳が発達してきて夢を見るようになり、怖い夢を見て夜泣きすることがある、というのは参考になった。

    親としてやるべきことは、まずは赤ちゃんの安全を守ってあげることであり、多くの育児書を読んだり、手をかけすぎる必要はないということが分かって安心した。

  • 1960年発行のお医者さんが書いた育児書。
    昔の子育ての様子がわかっておもしろい!
    ちょうど母が生まれた頃か。
    1歳にならない子にキャラメルを与えたり、
    ミルクではなく牛乳で育ててたり。
    今と色々違うけど、親があれこれ悩むのは同じ(^^)

  • し図。リクエストして他館貸し出し。
    2017/9/14

  • 「えっ こんな時 どうしたらいいの?」
    「あーっ もう どうしよう」

    初めて母になる若いお母さん
    その横にいらっしゃる若いお父さん
    その他
    赤ちゃんを初めて身近にされる人たちに
    ぜひ 手に取っていただきたい
    一冊

    どんな時代でも
    どんな国でも
    赤ちゃんは産まれてきた
    そして
    そこで育っていく
    そこに発生する さまざまな悩み、質問は
    インターナショナルでありますね

    私たち日本には
    松田道雄さんがいらっしゃった

    続編の「私は二歳」もお薦めです

  • 赤ちゃん目線で書かれた育児本。本書から伝わってくることは、ケアは必要最低限で十分だということ。赤ちゃんも嫌だったら泣くし、嫌じゃなければほっといて良いのかもしれない。1960年初版と少し情報が古い気もしますが、始めての我が子に対面する前に読んでおきました。

    BCG→結核の予防注射

  • 子供は環境で育つ。
    親はその1つにすぎない。

    0歳育児で苦しかった時に、この言葉に少し救われた。

  • 赤ちゃん目線で書かれた育児のほん
    挿し絵が入ってるし、トピックスが細かくわけてあるのもあって、赤ちゃんが居ても居なくても結構読み易いし面白いと思う。
    ちょっと時代背景が昔かなと思うけど、昔も今もお母さんたちは同じように悩み、手探りしながら子育てをしているのだなとしみじみした。

    子育てはこうあるべきとか、これが正しいとか言う事はない と、お母さんに優しく教えてくれる本。

  • 岩波書店のフェアで存在を知ったもの。尾木ママも絶賛してた。

    タイトル通り、赤ちゃんの目線で書かれたエッセイ&実用書&啓蒙書。誕生直後から「私は…」という口調で、『吾輩は猫である』を思い出した。実際赤ん坊がどれだけのことを感じ、考えているのかわからないけど、赤ん坊の視点で大人社会を眺めるというのは面白い。

    昔に比べて医学は進歩していると思うけど、いつだって親にとっては子育ては初めてのことだからわからないことだらけで、こうした書物は親にとっては有難がられたんじゃないかと思う。出版から50年以上たっているけど、知らないことがいっぱいで新鮮だった。きっと今でも通用することが多いんじゃないだろうか。当時の団地の様子なども興味深かった。やはり名著だと思う。

    身近な人に子供ができたらプレゼントしてもいいかなと思った。

  • 1960年初版の、子供目線の育児本。こと子育てに関しては「昔はよかった」なんてウソだと思う。病院の先生がタバコ燻らせながら診察したり、とりあえず注射を打たれたり、赤ちゃんに睡眠薬を飲ませたり、いま見ると驚くことが多い。

  • お医者さんが赤ちゃんを主人公に書いている話。赤ちゃんなのに大人びていて、前半は笑が止まらなかった。1960年ということで時代を感じるとこよもあるが、名著だと思う。

  • 50年くらい前に書かれた本なので、現代の子育て論とは食い違う部分はありますが、それを差し引いてもかなり面白い作品でした。生まれたばかりの赤ちゃんが妙に達観していたり、大人たちを馬鹿にしていたり、なのに身体機能が未熟なせいですぐに泣いてしまったり。
    自分のことを思い出すと、さすがに「赤ちゃん」期のことは覚えていませんが、3歳くらいで「子供扱いするな」と本気で憤った記憶はいくつかあります。
    赤ちゃんもちゃんとした人間です。大人が思うより早く頭脳は大人になるんだよな、と思い出させてくれました。

  • 赤ちゃんを一人称とする斬新な視点の育児書。1960年初版とは思えない切り口で楽しく読むことができた。会社通勤の行き帰りに読んでいたが、早く帰って我が子に会いたくなった。。

  • 初版1960年とは信じられない。おもしろかった!!

  • さすがに時代を感じますわな~。特に医療に関する記載は、今と比べると隔世の感がある。でもいわゆる“育て方”の部分に関しては納得できることが多く、社会は変わっても、親の気持ちは変わらんなぁ、としみじみ思ったりして。しょーもないことで騒ぎたくなる親の気持ち、いつの時代も一緒なのですね。気を付けないと。

  • こんなに平易で、読んでいて楽しく、ためになる岩波新書は初めて。確かに時代を感じさせる部分はあるが、そこにも味わいがあるし、むしろ如何に現在が便利に、安全になったかを知ることができるというもの。何より、不安な親を励まし、勇気づけてくれる著者の眼差しの普遍性は、今後も減じることはないだろう。岩崎千尋の挿絵も素晴らしい。子どもを持たねば手に取らなかった本。その意味からも子どもに感謝。82刷を読了。2013.3.27

  • 赤ちゃんが主語で面白いタッチ。
    赤ちゃんの成長発達過程や特徴的な疾患などが分かりやすくかかれている。
    とても読みやすい。

  • 読みやすくおもしろかった

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著者プロフィール

著者 松田道雄(まつだみちお) 1961年生まれ、生まれも育ちも今も山形県山形市 
中学教師(社会科)、着想家、社会教育家、ポリネーター(ワークショップほか企画作りの相談請負人)
1993年「壁画—ニット」プロジェクトで、ロレックス国際賞受賞 
●著書 『駄菓子屋楽校』(新評論、2002)
『だがしや楽校のススメ』(共著、創童舎 2003年8月発売)              『だがしや楽校を開こう』(仮)(共著、新評論)
 ※「だがしや楽校」は全国に広がりつつある
ラヂオ社会教育講座「天分楽校」 VigoFM78.8MHzHP:http://www.vigofm.co.jp/

「2003年 『天分カフェ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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