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- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004131304
感想・レビュー・書評
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昭和のはじまりから1950年代までの歴史の流れを概観している本です。
本書の旧版に対して批評家の亀井勝一郎が「人間が描かれていない」という批判をおこない、いわゆる「昭和史論争」が引き起こされたことはよく知られています。執筆者の遠山は、日本を代表するマルクス主義の立場に立つ近代史研究者であり、そうした内容の偏りに対する批判もなされています。
わたくし自身は、亀井のロマン主義的な歴史観に同調できないのですが、それでも本書に記されている大衆観がやや教条的であるように感じられました。この点では、政治的には左派に近い立場に立つ現代の歴史学者にとってもおそらく同様ではないかと思われます。安丸良夫や色川大吉らによって民衆史の研究が展開される以前の叙述であり、現代であればべつの書き方もありえるのではないかという気がしますが、第二次世界大戦の終結と冷戦・朝鮮戦争にいたるまでの日本の政治および経済の歴史がコンパクトにまとめられており、おおまかな流れをたどるためには現在でも有益な内容だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示