- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303237
作品紹介・あらすじ
コメの市場開放、食管制度の変貌、農薬・化学肥料による環境汚染…。担い手の高齢化が進み、戦後最悪の凶作にも見舞われた日本の農業に未来はあるのか。各地の農民の肉声を伝え、数多くのデータで農政の実態を明らかにし、若い世代が挑戦する新しい農業の可能性にまで説き及ぶ。これからの日本農業を考えるうえでの必読書。
感想・レビュー・書評
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日本の農業における現状を詳しく述べているが、高齢化や後継者不足など、今になっても解決に至らない問題が多い。農協や農林族議員に対しても一定の評価と反省点を挙げており、これからの農業を考えたい者に対して一つの判断材料になりうる。最後はバイオテクノロジーに対して期待と不安が述べられているが、現在においてもバイオテクノロジーで農業の劇的な改善は見込めず、苦しい立場であることに変わりない。
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日本の農業知っとこう、と思って読みました。わかりやすく整理してあった。15年前の本なのでもう少し新しいのも読みたい。
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[ 内容 ]
コメの市場開放、食管制度の変貌、農薬・化学肥料による環境汚染…。
担い手の高齢化が進み、戦後最悪の凶作にも見舞われた日本の農業に未来はあるのか。
各地の農民の肉声を伝え、数多くのデータで農政の実態を明らかにし、若い世代が挑戦する新しい農業の可能性にまで説き及ぶ。
これからの日本農業を考えるうえでの必読書。
[ 目次 ]
第1章 日本農業の素顔
第2章 山あいの村から
第3章 食管制度の表と裏
第4章 食料輸入の増加と自給力
第5章 農業と環境
第6章 日本の農業のこれから
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
広島行きの航空機内で読んだ。1993年に米大凶作があって、店頭から消費者米が消えた。背後では懸命な外米輸入があって、そのことが国際的な食糧需給バランスを歪めることにもなったのだそうだ。
本書はその後に展開する「新農政」を、環境保護の観点から考えようとしている(まえがき!!!)。
基本法農政以来、経営体は減少し、兼業はすすみ従事者の高齢化はすすんでいるが、農政は補助や助成の金をばらまき、「画一的な営農スタイルを全国一律に及ぼそうとする」(同!!)。
所得格差も改善しない。1994年出版の本ながら、工場勤務者の一日あたり労働賃金と、農業従事者の所得は3:1で、農業従事者は日に5600円強の所得であるという。それは地方公共団体に勤務する事務補助の賃金に類似している。
適正価格。コーヒー生産者が日本の輸入業者に説明するくだりが、記載されている。「適正価格」というものを日本は考えてほしい。そうでないと、必要な所得を確保するために、自然破壊して大きく栽培地を拡大する。しかし、量が確保されると供給過多ということで価格がさがる。「生産者は豊かになれない、自然破壊はすすむ」。記憶しておきたい。