すしの歴史を訪ねる (岩波新書 新赤版 641)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004306412

作品紹介・あらすじ

「ナレ」から「握り」へ。千数百年の歴史のなかで生み出されてきたさまざまな形態は、いまも各地に残っている。祭礼や季節の魚菜と結びついた古いすし、手軽さを工夫した新しいすし。日本には北から南まで、材料、つくりかたともユニークなものがなんと多いことかと、改めて驚かされる。それらを通して、変化に富んだすしの歴史をつづる。

感想・レビュー・書評

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  • 1999年刊行。著者は市邨学園短期大学助教授。◆古代の寿司、ナマナレから江戸期のそれまで広く日本の寿司史の全体像を叙述する。手堅くまとめた感じ。

  • 古代のナレズシから現代の回転寿司までの歴史を丁寧に解き明かした労作。素材と製法の多彩さ、味の想像がつかないものも多く興味は尽きない。
    「江戸で完成された江戸前握りずしは、すしの系譜からいえば、ごく末端の枝葉にしかすぎない。一部の握りずし愛好家がいうような極端な能書きや講釈は、本来すしの世界には無縁であった。逆に、自由な発想で変幻自在であることこそが『すしの本分』といえる」(182P)

  • ゆみずさんがお寿司好きな影響で、僕も興味がわいてきた。握り寿司は江戸後期。たしかに昔は生の魚を食べるのは難しかったろう。あの握る技術や小型に完成された形、出来たらすぐ食べる即興性は、現代アートのパフォーマンスに通ずる面があるのかも。

  • この本を読むと、「すし」と一概に言っても、時代的・地域的にずいぶんと異なる様相・形態であることに驚く。ナマナレとは発酵が浅いすしのことというのも知らなかった(「ナレ」とは発酵のこと)。「すし」と言えば、今ではにぎり寿司(せいぜい、ちらし寿司や箱寿司くらい)を思い浮かべるが、季節の魚菜と結びついた保存食という概念から発生した食生活の知恵であることも再確認させられた。「すし」のユニークさを心ゆくまで味わえそうな新書だ。

  • [ 内容 ]
    「ナレ」から「握り」へ。
    千数百年の歴史のなかで生み出されてきたさまざまな形態は、いまも各地に残っている。
    祭礼や季節の魚菜と結びついた古いすし、手軽さを工夫した新しいすし。
    日本には北から南まで、材料、つくりかたともユニークなものがなんと多いことかと、改めて驚かされる。
    それらを通して、変化に富んだすしの歴史をつづる。

    [ 目次 ]
    暮らしの中のすし(すしという食べ物;祭りのすし;神饌のすし)
    古代日本のすし(近江のフナずし;古風な食べ方・つくり方)
    ナマナレの世界(保存食からの脱却;ナマナレの諸相)
    変容するナマナレ(ナマナレの新傾向;イズシ)
    早ずしの展開(姿漬けのすしの改変;切り身漬けのすしの変化;古風を伝えるすしの数々)
    握りずしの時代(握りずしの誕生;伸びゆくすしと消えゆくすし)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 古本屋で見つけた一冊。ふなずしというのは、飯は食べないんだということを知った。
    和歌山出身だから、子どもの頃からアセずし(ナレズシ)はよく食べていた。
    この本を読んだら、すしが食いたくなった。

  • borrow 070628

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著者プロフィール

名古屋経済大学短期大学部キャリアデザイン学科教授。専門分野は日本人文化論・人文地理学・民俗学。研究テーマは「日本の食生活の伝統と変容から?とくにすしを中心に?」。すしミュージアム(静岡市)名誉館長も務める。著書に『すしの事典』(東京堂出版)『すしの歴史を訪ねる』(岩波新書)『すしの貌―時代が求めた味の革命』(大巧社)等

「2015年 『すしのひみつ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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