地震と噴火の日本史 (岩波新書 新赤版 798)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307983

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  • 一般向け啓蒙読物風.それにしても,過去に日本を襲った多くの巨大地震にM8.9などと言う破天荒な例は見当たらぬので,何やらみな小物に見えてしまうあたりが……いやこれは錯覚である.

    たとえば,1703年に相模トラフで起きた元禄地震(M8.2)で,南房総を襲った津波の最大波高:10.5m,地盤隆起:最大5.5mとある.M8.2でも震源が近ければこうなる.
    たぶんこの元禄地震てのは,大正の関東大震災と似て,一回り大物だと思うが,ここ伊東でも「波高10m以上,河口から遡上して2km余の広域で冠水,犠牲者163人」.鎌倉でも同等規模の津波が来たようなので,震源は相模湾の奥側だったのかも.
    相模トラフで起きた超巨大地震は,元禄地震以前は資料に見えぬらしい.が,地質調査によると,およそ1500年毎に起きているようである.それにしては元禄地震と関東大震災の間が短すぎるが,関東大震災は小物のうちということだろうかな.1500年毎に超大物が来るとすると,あと千年余りは猶予がありそうだが,あいにくその間は南海トラフの方が絶賛大活躍なので,それほど安心は出来ぬのであった.

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