都市再生を問う: 建築無制限時代の到来 (岩波新書 新赤版 832)

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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308324

作品紹介・あらすじ

オフィス・ビルやマンションの建設ラッシュがつづく大都市。その背後では、都市計画の思想を御破算にし、超高層建築を可能にするシステムづくりが進行していた。それを推進する政府や財界の思惑は何か。「都市再生」の動きは、市民の生活に何をもたらすのか。荒廃する都市生活の実状を取材しながら、「新しい公共事業」の実相に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • バランス感覚にあまりに欠如した、建築・建設・公共事業はダメ、の一点張り。ただし(学者にも)こういうことを言うような人はいるということなので、批判的に読むべき本。

  • 小渕政権時代に始動し小泉政権成立とともに本格的に実施された「都市再生」の施策について経緯や内容を批判的立場からコンパクトにまとめている。ただし、悪の政官財トライアングルvs善なる市民のあまりにも図式的かつ感情的な構図(及びそれに伴う論理の不整合と内容の薄さ)、多様であり得る「美」という価値観の安易な濫用等といった執筆者のアプローチが本書の価値を大きく損なっているのは残念。

  • [ 内容 ]
    オフィス・ビルやマンションの建設ラッシュがつづく大都市。
    その背後では、都市計画の思想を御破算にし、超高層建築を可能にするシステムづくりが進行していた。
    それを推進する政府や財界の思惑は何か。
    「都市再生」の動きは、市民の生活に何をもたらすのか。
    荒廃する都市生活の実状を取材しながら、「新しい公共事業」の実相に迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 林立するオフィス・ビルとマンション
    第2章 都市再開発の新システム
    第3章 規制緩和の嵐
    第4章 仕掛け人たち
    第5章 翻弄される人々と町
    第6章 美しい都市をつくる権利―超高層ビルに対する完全な抵抗のために

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    [ 参考となる書評 ]

  • この本は、「高層建築物=悪」ということになっています。もう少し複眼的だといいのですが。

  • 都市開発の歴史をつづった一冊。
    教養目的の方にはあまりお勧めではない。都市開発関係分野の研究目的には有用性高い1冊のように思う。

  •  地価の下落をバブルの後遺症としてではなく、人口減少化による構造的変化とみると、2002年に施行された都市再生特別措置法での不動産売買の活性化による不良債権処理は進まない。都心部については、未利用容積はそう残っておらず、さらに長期的には人口が減少するため、その効果は低い。都市再生特別措置法も2004年に制度化されたまちづくり交付金についての、国主導の都市政策であり、地方分権が進む今とは時代錯誤である。
      これから必要なのは、トップダウンではない地方自治体の自律的な意思決定による、公共事業と連動してではなく、自律的な事業として行うことである。
      市民が買い物場所に困っているわけではないから中心商店街の保護を擦る必要はない。快適な生活環境のために必要だから中心商店会の復興が必要である。地方分権の利点は自己決定権の保証であり、市民が政策立案家庭への参加、政策決定過程への参加、自治体選択の自由を保証するものである。
    1992年の都市計画法改正でプラン作成過程での市民参加制度が取り入れられた。さらに建築紛争や開発論争の中でまちづくりに市民の声を反映しなければならないという声が強いものになってきた。このワークショップ形式では意思決定が難しいため。意思決定プロセスの前段階に市民の意見を集約する機会ととらえられている。都市マスでは~や~などかなり限定された計劃項目にとどまっているが、そうした市民が参加して議論する場ではそうした制約を超えた議論が進むことになる。この主題の広がりが都市計画からまちづくりへと広がる
    行政主導の委任型都市計画から市民自治型の都市計画に主導権を奪われることになり、まちづくりの機運が高まってくる。
     新しい概念として、私益より広い範囲で地域社会の共通利益を志向する地区益が形成されることが望ましい。
    築駅の共通認識度が高ければ、地区計画といいた高度な合意形成や、紳士協定などのゆるい合意形成など、多様性を残しつつ、まち全体の快適性が増すといいた関係が形成される。
     現状に積極的に手を加えて地区益を高めるといった自律的な地区振興においては中央政府が多くの税金を徴収して、交付税やほぞ金の形で地方へ配分する現行制度ではなく、負担を通じて受益を手にするといった自立的な制度が必要とされていく。
      1990年代に景気対策等の名のもとに、巨額の国債が発行され、累積債務が700兆円を超えている現状をみれば、今後の社会資本投資を抑制し、受益者負担方式を拡充し、利用に裏打ちされた社会資本を整備し健全な財政運営に努めることが必要となってきた。今後の人口減少社会には、都市の土地にも余裕が生じると考えられるが、こうした土地も環境共生時代における重要な社会資本である。それぞれの地区の特性や性格を生かした資金源の複合化によって環境共生時代の社会資本整備は可能にな

  • 出版社/著者からの内容紹介
    オフィス・ビルやマンションの建設ラッシュがつづく大都市.その背後では,巨大建築を可能にするシステムづくりが進行していた.それを推進する政府や財界の思惑は何か.「都市再生」の動きは,市民の生活に何をもたらすのか.荒廃する都市生活の実状を各地で取材しながら,「新しい公共事業」の実相に迫る.


    内容(「BOOK」データベースより)
    オフィス・ビルやマンションの建設ラッシュがつづく大都市。その背後では、都市計画の思想を御破算にし、超高層建築を可能にするシステムづくりが進行していた。それを推進する政府や財界の思惑は何か。「都市再生」の動きは、市民の生活に何をもたらすのか。荒廃する都市生活の実状を取材しながら、「新しい公共事業」の実相に迫る。
    目次
    第1章 林立するオフィス・ビルとマンション
    第2章 都市再開発の新システム
    第3章 規制緩和の嵐
    第4章 仕掛け人たち
    第5章 翻弄される人々と町
    第6章 美しい都市をつくる権利―超高層ビルに対する完全な抵抗のために

  • 都市計画学の課題で。

  • 都市計画シリーズ。

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著者プロフィール

五十嵐敬喜:1944 年山形県生まれ。法政大学名誉教授、日本景観学会前会長、弁護士、元内閣官房参与。「美しい都市」をキーワードに、住民本位の都市計画のありかたを提唱。神奈川県真鶴町の「美の条例」制定など、全国の自治体や住民運動を支援する。著書に『世界遺産ユネスコ精神 平泉・鎌倉・四国遍路』(編著、公人の友社)など。

「2022年 『世界遺産の50年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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