古事記の読み方: 八百万の神の物語 (岩波新書 新赤版 864)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004308645

感想・レビュー・書評

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  • 『古事記』にかんする著者の考察などがまとめられている本です。

    本書は二部構成となっており、第二部は岩波書店から刊行されている『図書』誌上に「八百万の神」というタイトルで連載された記事です。日本神話に登場する神々を紹介する内容で、比較的肩の力を抜いて読めるエッセイになっています。

    第一部は、「古事記を読む」というタイトルで、『古事記』の内容に立ち入って、著者自身の考えが語られています。「あとがき」には、「あくまで私個人の関心から個別の視点を設定し、それを加えて古事記のひとつの読み方を示す」ことをねらいとして書かれたものであることが述べられており、こちらもエッセイのようなスタイルで書かれていますが、とりあげられているテーマは『古事記』の物語世界を深く読み解くための手がかりとなるようなものであり、先行研究を踏まえた議論がなされているところもあって、入門書というにはやや敷居の高い内容になっていると感じました。

    著者には、ほかに『はじめての日本神話―『古事記』を読みとく』(2012年、ちくまプリマー新書)という入門書もあり、そちらのほうがもうすこし読みやすいのではないかと思います。

  • 現存する日本最古の歴史書・古事記を読み解くための基礎知識を解説した本。

    古事記の時代背景や言葉の特徴、日本書紀との違いなど、古事記を読む上で知っておきたい基礎知識がやさしく書かれています。

  • 古事記の読み方

  • 難しい本でした

  • 現代語訳みたいなのが読みたかったんで、そういう意味では期待外れでした。

  • 913.2

  • この本では、古事記の神話についての考え方、当時の時代背景、言葉の特徴、日本書紀との違いなどを読み解くための基礎知識をやさしく解説し、読み方の一つを提案する本です。古の人はなぜ神というものを考え出したのか、その世界をどうして天に思い描いたのかなどの素朴な疑問をわかりやすく書いています。

    私は、神話や言葉についての記述にまして、7世紀当時の日本を考察する部分に興味を持ちました。当時の日本人が、現代とは比べ物にならないほど「自然」を愛し、畏敬の念を持ち、崇拝をしていました。ところが、中国との交流が盛んになり、今でいう高度成長の時代になりました。寺院の建立や稲作の振興といったインフラ整備により木材の伐採や湿地の開墾などにより自然破壊が起こりました。そのような危機的な状況の中で、人々に対して、「自然」を敬うことに対する危機意識の媒介として書かれたというものが「古事記」であるという考え方は新しい発見です。

    それから約1200年の月日が経ちましたが、「自然」を軽視し、天にツバ吐くような行いが、現代社会を混迷に向かわせているのだとも思います。古の人の知恵に従い、「自然」に畏敬の念を抱き、原理原則に沿うことの重要性を感じさせる本です。

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著者プロフィール

 岩手生物工学研究センター 流動研究員

「2007年 『微生物の病原性と植物の防御応答』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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