教育力 (岩波新書 新赤版 1058)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004310587

感想・レビュー・書評

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  • う~ん、齋藤先生の本は、やはり「声に出して読みたい日本語」「読書力」以上のものはないみたい。本書は、たまにいいメッセージは飛んでくるが、全体には散漫で統一感・系統性がないのがとても残念。

  • 教採の過去問に出てきて気になった一冊。
    いいこといっているんだけれど、同じことを何度も言っていてしつこい。読書が大事なのはわかるけど、押し付けているように聞こえてしまう。一見するといいことなのだが、再読すると「?」が浮かぶ。

    教師を志望する学生の半数以上は大学入学時に読書の習慣がない。少なくとも人に何かを教える職業に就きたいと思っているならば、読書の習慣は最低限必要だ。自分自身が本を読まず学んでいないのに、教えたがるとすれば、それは本末転倒だ。学ぶことのプロフェッショナルであるからこそ、教える側にたつことができるのだ。(pp.5-6)

    →最読書意外でも学ぶプロフェッショナルになれるのではないだろうか。

    自由な個性を伸ばすということで教科の選択制がとられているが、私はそういう理論を信用していない。それが必要ないと高校生にどうしてわかるのか、ということだ。自分たちに物理が必要でないと、なぜ物理を勉強していない物にわかるのか。(p.27)

    →では、戦争を経験していない人は、戦争が必要でないということはできないのだろうか。
    このようなへんな理論で大人は子どもたちに押し付ける。それがよかったかはすぐにわからない。わかったとき、もしそれが失敗だったら、彼らは責任をとれるのか。その時には生きているかすらわからない。無責任だなー。

    勉強するということの基本は、人の言うことを聴くことである。耳を傾けて我慢して聴くという心の構えが求められる。(p.37)
    →書かなくても、この主張がおかしいことはわかるだろう。

    私たちが公立の小中学校を国民の税金で賄っているのはなぜかというと、この社会を支えていくのに必要な基礎的な知識・能力を次世代に身につけてもらうためだ。(p.113)
    →私たちの税金で賄っている、科研費で研究している人の研究はこの社会の役に立っているのかな?え?すべてが本当にそうと言えるの?

    ついついひねくれて書いたが、いいことも言っている一冊だ。

    (まっちー)

  • 教育に携わる上で必要なチカラ。若いときには売れず、今大学で教えることができるようになってこの職が楽しくてしかたがない、という実感がうらやましい。

  • レビューというか以下、メモ・・・・・

    「 段取り力」は大学受験など関係ないし、評価されることも少ないが、生きてく上で、特に仕事上で必要で最重要。
    スタートとゴールを結び道筋をしっかり意識化する。
    勉強が嫌いになる理由、着地点が分からない、自分にはできないんじゃないかという不安感。
    「上達の段取りも組んであり、全体が見えている」というメッセージが必要。
    100回失敗したとしてもそれは成功へと近づく一歩、ともいえる。条件をひとつずつ変えて段取りが見えているならそれは証明。
    条件を限定する。条件を安定させて何がいいのか何がダメなのか何が原因なのかを追い詰めていく。
    理科で学ぶ賢い生き方。
    ■教育する立場の者は自ら研究する姿勢をもたねばならない。そして研究を発表する機会をもつこと、うちでいうとこの資格、かな。
    ■個人の力より関係の力をのばせるかどうか
    ■問いを投げかけ、一緒に考える考えさせる。そして頑張って導いた果てのもっと果てに素晴らしい解法を示すことで信頼、尊敬を得る。
    ■ミケランジェロのダヴィデ像・太宰治の走れメロス、ある程度の知識がないとそのすごさが見えない。
    ■川端康成はストーリー自体よりもひとつひとつの語の微妙なニュアンスの積み重ね、全体の雰囲気として一つの世界をなしていて、
    ストーリーだけを見ても文学としての良さは伝わらない、よって英訳向けではない。
    このように文学という種類にもさまざまなものがあるということを英訳を通して考えることができる!考える切り口をどれだけ示せるかに教師の力量を見る。「引き出し」が必要になる。
    さまざまなテキストを生徒に提示できるよう、常日頃から意識して収集する。
    その姿勢を示すことは大きな影響を与える。筆者の学生時代の先生は各地のシダ植物を集めてきては授業で楽しそうに見せてきたらしい。太古の地球からの植物の原初的な形をとどめているそう。毎週いろんなシダを見せられるものだから地球はシダを中心に周っているんじゃないかといった感覚に陥いり、人間中心的史観を脱する 良い学びだったそう。学び続けることは楽しい、ということも学んだそう。


    ■文学など無意味で、実用的な文章だけを扱っていれば論理性がつく、ということは幻想、全ての文章の後ろ側に人の意図があり、それを読み取ることが重要。裏側を見つめます。
    「現代文」が読解力を付けるのに良い教科という。
    ■教科書に載っていることをそのまま伝えるのではなく自分の伝えたいものありきで、なんなら教科書をつくればいいと、たしかにそーだね。
    大学受験で大変おせわになったどっかの予備校の講師の出口さん、
    「現代文」正確にいうとその人の参考書にお世話になりました。その人の参考書は目がウロコでした。
    現代文、つまり国語って、得意ではあったけどぼんやりしててよくわからない教科だった。
    論理的に解く。
    問題に出る文章は読むのではなく解くためにあるのだから極端に言うと理解や共感はいらない!
    試験のための勉強
    人間性を高める勉強は別で。
    試験勉強は大事!
    でも授業中にギターをひきながら歌う先生
    雪が積もれば絶対雪合戦する先生、
    雪について全員に詩を書かせる先生、
    書いた詩はみんなのをまとめて詩集にしてくれた。
    今も宝物としてとってあります。
    試験に関係ないことをしてくれる先生の方が記憶に残ってるんだよね。
    そんな授業はきっと必要!
    人生の奥行を見せてくれるような先生。

  • 「教育の根底にあるのは、あこがれの伝染である。」

    最初の方は、ふむふむ、うんうん、なるほど、納得!と読んでいたけれど、後半部分に差し掛かりふつふつと違和感が沸き起こり最後にはむかついた1冊だった。ていうか、この人は結局は机上の空論を掲げているようにしか思えない。
    どこか荒れた小学校にでも行って1〜2年とか他の普通の先生と同じように雑用もやって、保護者の相手もして、それでもこの人の言うような教師像を実践できてからこそ、こういう教師が最高だ!ということを言ってくれ。
    もし、この本をバイブルだと思いながら担任を持っている小学校教師がいたとしたら、その人は絶対に気付かないうちに子どもたちを傷つけているだろう。教師がどうのこうのという前に、もっとすべきことがあるのではないのか?こんなの研究者のエゴだ。と久々に怒り心頭にさせてくれた1冊。
    私の仕事には役立ちそうな語句がいっぱいあったので★2つ。

  • 教えることとはどのようなことか、その魅力について書かれている。ただ、とにかく何でも“〜力”という言葉にして説明するのが強引過ぎるきらいもある。

  • 導入部分はすごく惹かれ買ってみたのだが、
    内容は自分にはあまり関係のないような話だった。

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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