アフリカ・レポート: 壊れる国、生きる人々 (岩波新書 新赤版 1146)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311461

感想・レビュー・書評

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  • 恩師に薦められ、読み出した。
    衝撃的だが、事実。

    松本仁一の本をもっと読みたいと思わせてくれる
    そんなレポートだった

  • 筆者の記者としての取材経験をもとに書かれたアフリカに関する「中間レポート」

    筆者の見てきたアフリカの実状に関するリアルな記述に、安全で豊かな国に生きる身としてはただただ衝撃をうけるばかりである。


    本書には開発学的な視点はなく、アフリカの国家システムの問題点を指摘するに留まってはいるが、そうした筆者の指摘は開発学という視点から問題を考える上で非常に参考になるのではないか。


    最近読んだ中では最も衝撃を受けた。

  • 『アフリカ・レポート』(松本仁一、2008年、岩波新書)

    本書は、元朝日新聞の記者がアフリカの現状を捉えたものである。まず、記者らしい簡潔で淡々とした文章が良い。アフリカの人々のさまざまなエピソードに取材源の豊富さがうかがわれる。

    なぜ、アフリカは腐敗するのか。筆者は国家元首が自らの政治的利権のために政治を行い、国民のことは考えていないからだという。ジンバブエのケースが第一章に書かれている。

    アフリカの政治・経済の現状を知るには良書といえるのではないかと思う。

    (2010年5月3日 大学院生)

  • 朝日新聞の記者(現在は退職しているらしい)が現地の丁寧な取材を元に描いた現在のアフリカ。最近少しアフリカに興味が出てきたので読んでみました。

    同じく米のジャーナリストが書いたロバート・ゲストの『アフリカ 苦悩する大地』と問題意識は相通ずるものがあり、この本の著者もアフリカの低迷の原因を政府組織(もしくは為政者個人)の腐敗に求め、その底流にはアフリカの部族社会の影響を認めています。ジンバブエ、南アフリカ、スーダンなどが詳しいが、かなりひどい有様である。こういう内容を読むと『貧困の終焉』の著者が掲げる先進国の金銭的支援によるアフリカの貧困からの救済プランはあまりにも遠い理想のように思われます。

    ---
    朝日新聞に掲載されていたときにも読んでいたのですが、最終章にある「ケニアナッツ社」の話は再読ですがやはりよい話です。日本人の成功ストーリーとしても素敵ですし、希望が持てる話としても期待が持てます。

    日本人の大企業に属するジャーナリストでもこういったものが書けるんだと感心した一冊。同じ著者の代表作『カラシニコフ』も文庫化されているようですので、ちゃんと読んでみようかと思います。

  • アフリカの2000年代当時までの現状がよくわかる一冊でした。書かれた頃から15年経ったアフリカはどう変わってるのか、最近状況を知りたくなります。

    本書に出てくるような腐敗する政治、苦しむ国民を他所にチャンスとばなりに目をつけて利権を奪いにくる外国人、母国を諦めて移住する国民。

    日本も同じ運命をたどる日は近い?
    あるいはもうすでに起きているかも?

  • これがアフリカのリアルな姿か。
    日本人が静かに内にこもっているうちに、行動力のある中国人がアフリカを支配している。
    こういう本をもっと皆に読んでもらいたい。

  • 無知は恥ずかしい!!もっと知らないと!!

  • ジンバブエ、南アフリカ、ケニア、ウガンダ、セネガル。
    パリ、歌舞伎町でのアフリカ人についての報告もある。
    「レイシスト」とは何であるかの説明がわかりにくい。
    産業や生活の記述があるが、方向性が見えない。

    新聞社のアフリカ取材の一部を切り出したためだろうか。

    アフリカの息吹は感じることができる。
    大地から響くような。

  • アフリカについて知りたくて読書。

    昨年のW杯開催で注目された南ア。その後はどうなっているのだろう。何かのドキュメンタリーで、南ア北部の国であるジンバブエの常軌を逸したインフレと経済破綻。そして、難民が南アへ流入している現状を見たことがある。そして、その流入したジンバブエ人を低賃金労働者として受け入れる南ア政府の政策。それが要因となり治安悪化と失業率悪化で、南ア国民の移民に対する嫌悪感と募る不満。

    日本からはアフリカは地理的にも、心理的にも非常に遠い。ニュースで報じられるコソボの海賊、難民問題。今年、分離独立を果たした南スーダン。そして、現在紛争中のリビア。増え続ける中国系投資と移民。10年後には、アフリカ諸国はチャイナタウンだらけになるのではないかと思われる。

    そんなアフリカ諸国に未来はあるのかと感じてしまう・・・・・。

    本書では、政治の腐敗と公の欠如が大きな要因と紹介されている。ジンバブエのムカベ大統領など独裁者が国を所有物くらいにしか思っていないトップが多い。しかし、根本的な要因は、ヨーロッパ諸国の分割植民地時代にすべての文化を破壊させたこともあると思う。つまり、教育、インフラ、制度などの基礎が存在しない。不幸だと思う。

    将来の希望として、最終章で民力の注目している。特に30年後のための教育が重要だと改めて思う。

    読書時間:約50分

    本書は友人Kさんからいただきました。どうも有り難う。

  • アフリカの首脳陣も腐っているな。
    おもしろいです。

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