坂本龍馬 (岩波新書 新赤版 1159)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311591

作品紹介・あらすじ

疾風怒涛の幕末、時代の変革をめざして東奔西走しながら、三二歳、志半ばで暗殺された坂本龍馬。勝海舟、西郷隆盛、木戸孝允、松平春嶽らとの政局をめぐる交渉の中で、龍馬はどのように行動したのか。また、巨艦を持つことを夢見た海援隊の実態はどうだったのか。龍馬の書簡等基本史料を丁寧に読み解きながら、その実像に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 従来定説と考えられていた坂本龍馬の事跡を、史料を洗い直して検証し、誤りを一つ一つ正している。特に日時や「その時どこに居たか」といった部分についてはこれまでの定説ではかなり間違いが多いことを指摘している。事実関係の確認向けの一冊。

  •  著者の「勝海舟」を読んで、その精密な調査と論考に驚いたことから本書を手にとって見た。
     著者は「勝海舟」が専門ということは、当然のことながらこの時代を熟知している。
     本書も、「松平春嶽の腕力不足」など人間のキャラクターまでを浮き彫りにする内容は、歴史書として実に光っていると思えた。
     「坂本龍馬」は「司馬遼太郎」の「竜馬が行く」が史実とはだいぶ違うフィクションであるということはよく聞くが、著者のこの時代の考察は、へたな創作よりもよほどわくわくする。
     「勝海舟」が「政治的には天才だけれども記録者としては極端にお粗末である」とか、「春嶽にはその腕力が乏しい。腕力があるのは容堂である」などの生き生きした表現を読むと、その人物の顔が浮かぶ思いを持った。
     「薩長密約」の詳細な考察を読むと、薩摩も長州も倒幕へ一丸となって突き進んだわけではなく、それぞれの内部に様々な勢力があり、政治的な軋轢を抱えつつ歴史は進行したことが伺えるし、また「船中八策」に龍馬の自筆本が存在しないこともおどろきである。
     「船中八策」ひとつだけをとっても本書は詳細な考察を多くの資料をあげながら展開しているが、その内容も実に興味深い。
     本書は、同時代を一段深く読み解くことができるすごい本であると評価したいが、よほどこの時代を知っていなければ読みきることは困難であるともおもえ★三つの評価とした。もう少し、わかりやすい展開をして欲しかった。

  • 32歳、志半ばで倒れた彼の国家構想とは?基本史料を読み解きその実像に迫る。
    疾風怒濤の幕末、時代の変革をめざして東奔西走しながら、32歳、志半ばで暗殺された坂本龍馬。勝海舟、西郷隆盛、木戸孝允、松平春嶽らとの政局をめぐる交渉の中で、龍馬はどのように行動したのか。また、巨艦を持つことを夢見た海援隊の実態はどうだったのか。龍馬の書簡等基本資料を丁寧に読み解きながら、その実像に迫る。(2008年刊)
    ・はじめに
    ・第1章 第一次脱藩まで
    ・第2章 勝麟太郎の客分に
    ・第3章 薩長密約を仲介
    ・第4章 社中から海援隊へ
    ・第5章 新国家構想なかば、京に死す
    ・おわりに

    幕末の志士の中で圧倒的に人気があるのは坂本龍馬ではないだろうか。私も学生時代、司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」を読んでその人物像に魅了されたものであるが、その人気ゆえに実像がぼやけ偶像崇拝の危険性をはらんでいる気がする。龍馬を讃える本には事欠かないが、一方で経営手腕を疑問視するものや、肝心の操船能力を疑問視するものもある。薩長同盟では、実はそんなに働いている訳ではないという見方もある。

    本書は、近代政治史の専門家である著者が坂本龍馬の実像に迫った本である。ところどころで、龍馬に対する好意が溢れているのは御愛嬌ではあるが、専門家らしく史料を駆使した緻密な内容となっていて好感が持てる。丁寧な仕事ぶりは、索引や参考文献一覧からもうかがえる。
    本書は良書と言えるが読み進めるのに苦労した。どうにも龍馬にシンパシーを抱けないのだ。
    本書を読むと、薩長同盟や幕末の政局で、龍馬の果たした役割が大きい事がわかる。ではなぜ、土佐の脱藩藩士が、薩摩と長州を結びつけるという大きな仕事を成し遂げたのだろうか。本書を読んでもわからないし、納得がいかなかった。結局は、志士たちの中で信頼されていたという事になるのだろうが、どの様な接点だったのだろうか。勝海舟の門人という肩書きが大きかったのか。果たして、幕末の志士達の間では、身分の高低に限らず交流する事が出来たのだろうか気になるところである。

    勝海舟や横井小楠の研究家だけあって、単に龍馬の視点だけではなく、勝や福井藩の動き、慶喜の動きなども踏まえて論じられており、内容に厚みを感じる。史料に立脚した地に足のついた龍馬論として一見の価値がある。

  • [ 内容 ]
    疾風怒涛の幕末、時代の変革をめざして東奔西走しながら、三二歳、志半ばで暗殺された坂本龍馬。
    勝海舟、西郷隆盛、木戸孝允、松平春嶽らとの政局をめぐる交渉の中で、龍馬はどのように行動したのか。
    また、巨艦を持つことを夢見た海援隊の実態はどうだったのか。
    龍馬の書簡等基本史料を丁寧に読み解きながら、その実像に迫る。

    [ 目次 ]
    第1章 第一次脱藩まで(郷士坂本家;龍馬の家族 ほか)
    第2章 勝麟太郎の客分に(海舟日記の性格;龍馬出現 ほか)
    第3章 薩長密約を仲介(鹿児島から北上する龍馬;西郷が来ない ほか)
    第4章 社中から海援隊へ(船を欠く社中;当時の天下の人物 ほか)
    第5章 新国家構想なかば、京に死す(いわゆる「船中八策」の謎;薩土盟約 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 事実確認というだけでは、読本として読もうとする者には苦痛。史料の確認が煩雑すぎて、流れがなかなかつかめない。
    新書として必要だったのだろうか。

  • 2010.2

  • 最近流行りの龍馬もの。脚色された小説ではなく、実像を知りたくて読んでみた。
    さまざまな資料から龍馬の行動を追っているのだが、著者が専門家であるが故に、データの信憑性や解釈に力が注がれていて、出来事の重要性がよくわからなかった。

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