- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004314486
作品紹介・あらすじ
ゼロ金利、量的緩和、アベノミクス…。この間、金融政策はますます政治との関わりあいを深め、人々の日々の暮らしに大きな影響を与えている。その金融政策は、どのように決まっていくのか。日銀をはじめとする世界の中央銀行は、どのように行動しているのか。これから、どこに向かおうとしているのか。金融関連の専門用語も丁寧に解説。
感想・レビュー・書評
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現代においては経済を構成する一部でありその方向性を制御しようとする金融政策について、その理解に必要な諸概念とともに知れる本。
経済ニュースなどではあまり触れられない基礎、基本となる重要な事柄(通貨、銀行、金利などなど)をきっちりと押さえて話を進めている本で、自分的には当たりだった。今まで新書やニュース番組などで断片的に理解してきた事柄の間を繋いでくれたイメージ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
分かるようで分からない…そんな金融政策について体系的に理解したかったことと、日銀総裁が変わったこともあり読みました。
金融政策入門というタイトルですが、出てくる単語は専門用語が多く、読むのには苦労しました笑
ですが、キーワードを一つ一つ調べながら読めば初学者でも必ず理解できる内容だと思います。
発行年が2013年で内容は古いですが金融政策を行うための基本的な考えや、金融政策に関係する機関・人・お金の種類、政策の実行過程や波及過程、過去の金融政策のケーススタディや(当時は)今後の政策の展望の推察も詳細に記載されていて非常に分かりやすいです。今後、金融政策の記事を読む際にこの本を見ながら理解をより深めていけるような本だと思います。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687184 -
7年近く前の本なのでやや話が古くなってしまっているのですが、当時読めばとても良い本だったのかなと思います。今読むと当時の2020年の予想になってしまっているので現実と大きく異なった状況になってしまっているので、読んでいて???となってしまうかもしれません。また、簡単に読める本と言うことではなく、やや難しい本になっているのでじっくり時間をかけて金融政策について学ぶためにとても良い本だと思います。経済学をしっかり学びたい人向けかと思います。
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2016/02/06
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入門といえど難しくて歯が立たなかった。金融政策の奥深さは読めば読むほど凄く、ぶっちゃけ昨今の経済状況について適切に語れる人って実は一握りの専門家しかおらず、まして選挙で争点になる経済政策も正しく評価できる一般国民なんていないことが分かった。リフレ派と反リフレ派、需要サイド派と供給サイド派という最近の議論のトレンドもうまく説明してある。個人的には内容は難しすぎたが、おわりににある問題を考える原則というのが至言すぎた。
1.これまでの知識や先入観を捨て、刷り込みバイアスに注意する
2.性急に結論を求めず、情報やデータを丹念に調べ、基礎から入念に積み上げる
3.細部に留意しながら俯瞰図を見失わない。木も見る、森も見る
4どちらが因でどちらが果であるか、因果関係の方向を見定める
5.議論の前に言葉の定義を明確にする
6.視点の違いを常に意識する
a.事前の想定の話か、事後の実現の話か
b.長期的な話か短期的な話か
c.マクロな話かミクロな話か。全体の話か部分の話か。ミクロの次元で正しいことが全体として正しいとは限らない合成の誤謬に注意する
d.一定期間におけるフローの話か、一時点におけるストックの話か
e.実物の世界の話か、名目の世界の話か -
【目次】
はじめに [i-iii]
目次 [v-x]
第1章 金融政策を理解するために 001
1 金融政策 002
金融とは何か/通貨とは何か/中央銀行と銀行券/日本銀行券について/「信認」の重要性/現金通貨と預金通貨/資金決済のメカニズム/システミック・リスクへの対応/流動性とは何か/金融政策とは何か
2 金融政策が働く場 024
資金の流れと金融機関/金融商品と金融市場/金利とは/利回りとは
3 金融政策の決定と実行 038
誰が決定するか/どのように実行されるか/金融調節はどのように行われるか
4 金融政策の波及過程 048
ケインジアン・アプローチ(金利経由)/期待の役割/マネタリスト・アプローチ(通貨量経由)/金利との関係
コラム……フィリップス曲線 052
第2章 金融政策の軌跡 061
1 伝統的金融政策 062
インフレと国際収支の天井/護送船団方式/金利規制/日銀の政策/金融自由化の時代
コラム……プラザ合意とルーブル合意 071
2 金融危機と金融政策 073
平成バブル/ゼロ金利政策と量的緩和
3 デフレ対応策としての金融政策 076
「失われた」10年?/デフレとは何か/デフレの問題点/インフレの問題点/物価と価格/物価指数について/GDPデフレーターとは
コラム……GDPデフレーターと交易条件 088
4 非伝統的金融政策 089
伝統的金融政策と非伝統的金融政策/非伝統的金融政策/金融政策の透明性/期待への働きかけ/コミュニケーション戦略の問題点
コラム……複数均衡論 115
第3章 金融政策と財政・為替政策 117
1 財政政策との関わりあい 118
国債について/国債と日本銀行/国債の発行と基礎的収支/国債の負担について/財政節度維持の重要性
2 為替政策との関わりあい 130
為替相場について/購買力平価説とは/金利平価説とは/金融政策と為替相場との関係/デフレ対応の金融・為替政策/為替市場への介入/介入の不胎化について/円高は問題か
コラム……マンデル=フレミング・モデル 151
第4章 中央銀行が直面している諸問題 155
1 中央銀行の独立性 156
中央銀行の独立性とは何か/日銀の法的性格/政府と日銀の関係
2 インフレターゲット論 168
インフレターゲットとは何か/日銀とインフレターゲット/インフレターゲットのメリットとデメリット/ターゲットの設定主体/ターゲット実現過程での諸問題/名目GDPターゲットについて
3 国債増発下の金融政策 180
白川体制下の金融政策の特色/黒田体制下の量的・質的金融緩和政策/出口問題/準備への付利と準備率の活用
第5章 デフレに対する処方箋 199
1 デフレ下の金融政策をめぐる議論 200
翁=岩田論争と植田裁定/リフレ派と反対派の主張/非伝統的政策の効用と副作用/リフレ派・反対派の論争再論
2 金融政策の波及過程再考 213
マネタリスト・アプローチの問題点/準備預金に金利を付けることをめぐる議論/量的緩和と信用緩和
コラム……ワルラス法則 219
コラム……準備の性格 223
3 デフレの真因とそれへの処方箋 227
本当にデフレだったのか/処方箋を考える/三本目の矢の重要性
コラム……人口動態と経済成長 234
おわりに(二〇一三年九月 湯本雅士) [241-244]
主要参考文献 [245-248]
主要中央銀行の金融政策措置一覧 [7-9]
索引 [1-6] -
アベノミクス以降の現在の日本の金融政策がどうなっているかを、リフレとかわかりやすく説明してくれたが、自分の勉強不足で消化不良になってしまった。もう一度読みたい。