- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004319337
作品紹介・あらすじ
自然観、無限と有限、対立と融合、自と他。さらには教育理念、国家観。そして生と死……。弘法大師・空海の先駆的な思想を、密教研究の第一人者で、みずからも高野山に暮らす著者が、空海の書き記した多くの書物、手紙などをもとに多角的に解き明かす。ロングセラー『密教』『高野山』に続く、第三弾
感想・レビュー・書評
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ここ数年、密教にずっと興味があり思わず手に取って買った本。空海の著作を通じて、彼の思想と宇宙や生態系のつながりが見えてくる。
もう少し神秘的な話しがでてくるのかと期待していたが、研究書としてまとまっていた。これはこれで読んでよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
密教の研究者であり、高野山真言宗管長を務めた著者が、空海の思想について解説している本です。
「あとがき」で著者は、近年の空海研究の進展を喜びながらも、「いずれの書物も空海のいずれかの一著作に限定して空海の思想と見なし論述しているために、それだけで空海の思想の全体像と称しうるか、疑問の残るところである」と語っています。本書では、空海の思想の意義を声高にとなえるのとは異なる、悠揚迫らずといったような調子で、その思想の全体を示そうとしているように感じました。また、綜芸種智院の設置に見られる空海の教育理念や、しばしば国家権力との結びつきを批判される空海の国家観、さらには空海自身の死生観などについても触れられており、空海の思想と人物の全体像がわかりやすく語られているように感じました。
西洋の自然観とは異なる考えかたを空海のうちに認め、その現代的意義を説いている箇所などは、やや通俗的な日本文化論になってしまっているようにも感じましたが、空海の思想の入門書としての役割はじゅうぶんに果たしているように思います。 -
ほとんど触れた事のない世界観であり、本の内容と私の持つ共通言語が少なかったため、読み難く、しかし新鮮で学びの多い読書となった。読書に躓く時は、局所的に理解可能な文章のみ抜き出して咀嚼する事にしている。その比較的平易な内容から、先ずは、解像度の低い理解が得られる。細切れの理解における行間を補う役割は、ネットや別の書物になる事もある。時々、そんな読み方をする。
仏教、特に大乗仏教では仏となるための教え、8万4千の法門、つまり真理に通ずる考えがあるようだ。私の俗な頭では、事細かに規定されているのであれば、これは自律的な覚りというよりも、超規律的な人格形成マニュアルと一瞬よぎったが、勿論そうでは無いだろう。
空海は、浅略釈と深秘釈という言葉を用いている。表面的な解釈か、その奥に秘められている本当の深い意味を掘り当てるか、という事だ。著者は、キリスト教に処女懐胎と言う現象があるが、これをそのまま皮相的に解釈すればありえないと言うことになるが、その奥に秘められている本当の意味を理解する事が深秘釈であって、宗教にはこの読解が必要だという説明をしてくれる。
人の言葉を表面だけでは受け取らない。教典、教えも当然の事。極端な比喩や飛躍から真意を受け取り真理となす事は、案外、解像度の低い読書を日常生活を通じて理解する、覚る過程に似ているのかも知れない。 -
前提知識が無い中、読んだため物凄く難しかった。
とりあえず瑜伽を勉強してみる。
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【請求記号:188 ク】
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/775112 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000058011
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東2法経図・6F開架:B1/4-3/1933/K