「むなしさ」の味わい方 (岩波新書 新赤版 2002)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004320029

感想・レビュー・書評

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  • “泥沼”から生まれる歌 | NHK(2023年07月26日)
    https://www.nhk.or.jp/utsunomiya/lreport/article/000/52/

    【話の肖像画】精神科医・エッセイスト きたやまおさむ<1> まず学長が遊ぶ姿を見せないと - 産経ニュース(2023/10/1)
    https://www.sankei.com/article/20231001-GPOBNIVUHZJ6HPBQXIWJXBT7QM/

    「むなしさ」の味わい方 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b638602.html
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 読んだあとどっとむなしさに襲われた。
    柔らかい文体でむなしさを感じる自分を愛してほしいと繰り返し言われているようで、感じたくないと抑圧していたむなしさが、受け止めてほしいと湧き出てきたのだと思う。
    漢字の成り立ちや、読み方が同じものの共通点とか、興味があるようで知る機会がなかったから読んでいて面白かった。
    現代はむなしさを紛らわすもので溢れていて、いくらでも誤魔化せるけれど、人生の間の中で感じているむなしさはただ感じてあげることが必要だと思った。
    人は本音と建前、表と裏、きれいごとと汚いこととあって、受け止めて愛すには、まず自分の心にどろどろとした沼があることを否定したくない。
    その沼は完全に浄化されることはないから、癒されることに躍起にならなくてもいいと思い直した。あと、行動に移さなければ脳内では何を思ってもいい。
    泥中でうまれるもの、咲くものがある。馴染むまで己の泥にとことん付き合っていきたいです。

  • 書店の書評コーナーにて。

    「むなしさ」は「す(澄)まない」。
    心の隙間、穴に「むなしさ」が入り込んだ時、私たちは急いで埋めようとする。現代は「間」に耐えられない仕組みになっている。容易に「間」が「魔」になる時代。
    むなしさは、すまないものだとあきらめて、心の底に住まわせる。むなしさを、時間をかけて醸成し、味わう。
    結論を急がない。「間」に耐えてこそ生まれる創造物もある。
    心の穴を、埋めないまま「間」として、時間をかけて向き合ってみることを意識したいと思えた一冊。

    こんなに真面目な心理学の新書なのに、著者はなんと、おらはしんじまっただぁ〜♪で有名なフォーク・クルセダーズのきたやまおさむさん。
    さすがは精神科の医師、言葉を大切に使われている印象。ワードセンスに惹かれた。

    喪失は移行対象をみつけ、時間をかけて移行していくことでうまくこなすことができる

  • どうして読もうと思ったのか思い出せないですが、ほぼ毎日コツコツ読んで読み終えました。
    自分が立ち止まってしまった根本が見えてきました。
    そして自分を客観視することは、自分を見失わないためにも必要だということを改めて考えさせられました。

  • 【目次】
    序章「むなしさ」という感覚
    第1章「喪失」を喪失した時代に
    第2章「むなしさ」はどこからー心の発達からみる
    第3章「間」は簡単には埋まらないー幻滅という体験
    第4章「むなしさ」はすまないー白黒思考と「心の沼」
    第5章「むなしさ」を味わう
    おわりにー悲しみは言葉にならない
    あとがき

  • 我々はむなしさから逃れることはできない。だから、むなしさを抱え、味わうことが大事。
    北山先生の仰っていることはわからなくはないが、むなしさを味わえるようになるのは簡単なことではないと思われる。どうやったら味わえるようになるのか、今のところ、自分の中に答えは見いだせていない。
    また、読後の印象として、スッキリしない、けむに巻かれたかのような感覚を持った。

  • フォーク・クルセダーズのメンバーでありながら、精神科医で白鴎大学の学長でもある著者が、むなしさについて、さまざまな角度から論じている。
    加藤和彦氏の自死を止められなかった後悔やむなしさから、この本が書かれたのではと推察する。
    その気持ちを普遍的なものへと昇華し、むなしさを感じている全ての人に、それで良いんだよと優しく寄り添ってくれている本となっている。

  • 空しさについて詳細に分析している。

  • むなしさは外的にも内的にも起きることだと改めて分かりました。裏切られたいときのむなしさやせつなさが嫌だから、私は最初から期待をしてないのかもしれないなぁと思いました。はっきりした感情ではないと読んで思ったので、ゆっくりと、時にはスペースにそっと置いておきながら向き合っていきたいです。

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著者プロフィール

精神科医、臨床心理士、作詞家。
1946年淡路島生まれ。65年京都府立医科大学在学中にザ・フォーク・クルセイダーズ結成に参加、67年「帰って来たヨッパライ」でデビュー。グループ解散後は作詞家として活動。71年「戦争を知らない子供たち」で日本レコード大賞作詞賞を受賞。九州大学教授を経て現在白鷗大学学長。
著書『コブのない駱駝』『良い加減に生きる』他多数

「2021年 『「こころの旅」を歌いながら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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