- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004320111
感想・レビュー・書評
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/572903 -
【請求記号:230 イ】
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魔女狩りは暗黒の中世のイメージが強いが、猖獗を極めたのは近世であり、かつ裁判によって裁かれる合法的な狂乱だった。ヨーロッパが近代に入り、科学や啓蒙思想の普及に伴い沈静化したものの、魔女狩り自体は現代なお一部の国で発生しているし、魔女狩り的要素を持つ迷妄と暴走は近年の日本でさえ見られ、後日あれはなぜ起こったのかと訝しむ様な事象は、人類の根本資質に根差す普遍現象でもある。気候変動や自然災害がもたらす動揺や、権力強化の梃子に使われたりと、魔女狩りの要因が様々考察されるが、いくら煽ろうが、それを受け入れる素地無くしては暴走は始まらない。我々が「進化」しない限り、恐ろしい迫害は昔の話だと片付けられない点、真の恐ろしさを覚える。おどろおどろしい魔女や悪魔の有様を描いた絵や文書が印刷されて出回った事も、恐怖心理に一役買ったといい、メディアによる悪影響は、煽り記事に特定画像が添えられていた数年前と同じ構図。もっとも我々が今日もつ魔女イメージも、この時期に確立しているわけで、あくまで芸術観点からすれば優れているとは言え、だからこそ惨禍を招いたのは悲惨。
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ヨーロッパ、特にドイツでは魔女狩りが盛んだった。それは自分が不幸だと思わせる環境の下、その不幸の原因は誰かのせいだと信じさせるキリスト教的考え方があった。
天候不順で農作物の収穫量が少なくて不幸、疫病が流行って病人がたくさん出るので不幸、身分の違いによる不自由さで不幸、など。それを誰かのせいにすることは施政者や教会にも好都合だった。
人間の醜さ…
魔女狩りが最も盛んだったドイツ、その伝統はナチスによるユダヤ人迫害にも関係がありはしないか?
読了45分 -
東2法経図・6F開架:B1/4-3/2011/K
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713177