詩の楽しみ: 作詩教室 (岩波ジュニア新書 52)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005000524

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて思い出した
    この本は中学生の頃にも読んでいる

    あの時の自分も詩に励まされた
    今の私も同じ詩を読んで励まされている

    成長がないのか
    詩が普遍なのか
    どっちでしょうね

    マクリン文庫から貸出
    清子先生がめくったであろうページをめくる
    中学生だった私がめくったページもまた めくる

  • 本書は、高校生や新聞雑誌の投稿詩を選評した経験から著者が考えた、「詩の方法」を解説したものである。
    筆者は、詩を「言葉で、新しくとらえられた、対象(意識と事物)の一面である」と定義する。その上で、具体的な投稿詩や詩人の詩を例に、作者がどのように物事を捉えて、どのように個性的な言葉でそれを表現したのか、という観点から批評をしていく。

    14ページの「私には、表現とは対象をほめることだという考え方があります」というのが1番印象に残った。心惹かれた対象を褒めようと思い、他者にそれを伝達しようとするとき、私たちにできる最高のことは、「すでに言われた表現方法によってではなく、個性的に行うということ」だという。

    筆者は、作品を批評するとき、「作者の感覚に忠実な表現」であることをたびたび褒める。詩作を始めたばかりの人への助言として、「目に見えるように書くこと」を勧めてもきたようだ。多くの人は、何かを褒めようとするときに、どこかで聞いたことのある表現を避けて、まさに自分の目に見えるように書くことが難しい。自分が思っているほどに、目の前で起きたことを、そのままに見れてない。
    そういった詩作観のとおり、著者は、その批評も、とても精密に一つひとつの言葉を読む。

  • よっぽど気に入ったんでしょうか。「ロシナンテという馬」という作品のページに鉛筆で〇がしてありました。私は、深海魚を擬人化した「そこにはいつも」と「夜」の”すぽんと海を脱ぐ魚”という表現が気に入ってます。

  • 今、本屋さんに注文しているところです。

  • 詩とは"言葉で、新しくとらえられた、対象(意識と事物)の一面である"というのが私の定義です。(p.2)

    冒頭のこの一文に詩を書くとはどういうことかが端的に表されている。逆表現、比喩などといった技法の話も出てくるけれど、解説される詩の楽しみ方よりもむしろ、本書全体から「詩人がいかに真摯に世界と、言葉と向き合っているか」が感じられ、それこそが詩を楽しむ基本姿勢を教えてくれる。

    詩人の魂をおすそわけしてもらった気分。

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著者プロフィール

1926-2014 詩人。山形県酒田市生まれ。代表作は「夕焼け」「祝婚歌」など多数。校歌・社歌も多く作詞。詩集に『贈るうた』『夢焼け』『吉野弘全詩集』など。読売文学賞詩歌俳句賞、詩歌文学館賞受賞。

「2015年 『吉野弘エッセイ集 詩の一歩手前で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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