「殺すな」と「共生」: 大震災とともに考える (岩波ジュニア新書 252)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005002528

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  • 小田実 「殺すなと共生」

    人間の基本的人権〜命の大切さ(殺すなの思想)、価値観の異なる人との共生〜について考えた本。戦争被害者であり加害者でもある日本の立場から 平和主義と民主主義を わかりやすく論じている。

    共生とは 排除や差別をしない、自由を奪わない、平等で対等な関係を前提としている。仲良くすることは できなくても それくらいなら 共生できるかもしれない。


    著者が目指すのは、絶対的平和主義(自衛戦争認めず)に基づき、非軍事的活動により 市民社会に貢献する民主主義。


    命の大切さ(殺すなの思想)について
    災害や戦争による無意味な死(難死)の批判〜人間はこんな風に殺されてはいけない

    共生
    *平和主義と結びついた民主主義〜対等、平等、自由な人間関係が保たれた共生
    *人との共生のほか、自然との共生もある
    *価値の優劣ではなく、価値が異なることを認めるのが重要


    民主主義
    *民主主義の理想=平和主義と結びついた民主主義
    *民主主義の現実=平和主義でない国がある以上 理より力が優先される→平和主義と民主主義は 絵に描いた餅〜努力が大事


    平和憲法〜敵が攻めてきたらどうするか
    *平和主義の原理に基づいて 世界に重要視される国になる
    *戦争ばかり行ってきた世界の在り方を変える
    *核戦争=全てを破壊する戦争→戦争をするかぎり 人間は救われない

    良心的兵役拒否制度
    宗教上の理由、平和主義の理由により 兵役拒否。ほかの非軍事的活動により 市民社会に貢献する


    「アメリカは 人種のるつぼ でなく、人種のサラダであるべき」
    それぞれの持ち味は 全て残って、それでいて 全体が サラダとしても美味しい

  • 4-00-500252-8 201p 1995・4・27 1刷

  • [ 内容 ]
    九五年一月の阪神大震災は、今まで築いてきた「経済大国」日本の現実をも一気に露呈させてしまった。
    この反省にたって、「殺し、殺され」ることなく本当に「共に生きる」市民社会をこれからどう作っていくべきか。
    大空襲の体験を思索の出発点とし、今また大震災を体験した著者が、戦後50年に力強く訴える。

    [ 目次 ]
    1 「殺すな」の思想―震災と戦争・二つの「難死」体験をつなぐ
    2 「共生」社会をもとめて―人間と人間、「われ」と「われ」をつなぐ

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