『碧巌録』を読む (岩波現代文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006003876

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  • 『碧巌録』とは、北宋初期の雪竇重顕が古則百則に対して頌をつけた公案集に、北宋晩期の圜悟克勤が垂示・著語・評唱を加えた禅の教本である。「宗門第一の書」と称され、日本の禅にも多大な影響をあたえた。重層的な構造わ有する禅教本の最高峰を、本書では、言語による言語の解体行為という視点から、精緻に読み解いて行く。読者を巻き込みながら自在に展開する「文字禅」の世界とは何か。その魅力を平易に伝える画期的な入門書。

  • 一般に不立文字といわれる禅について、『碧巌録』の読解をとおし、言葉から考えてみる、という内容。
    ・公案は、言葉を使って、われわれの日常的な言語の虚偽性、虚構性というものを明らかにして、それを解体する働きを言葉に持たせる。P58
    ・凡夫も悟った人も「山は是れ山、水(川)は是れ水」に違いないが、「山は山に非ず、水は水に非ず」180度の否定の世界を経る・経ないは大違い。360度に達してさえいても、そこに安住することは否定される。360度にいたっても完結しない前進こそ『碧巌録』の真骨頂。P248

  • 東2法経図・6F開架 B1/8-1/387/K

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著者プロフィール

東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授

「2024年 『日本の近代思想を読みなおす4 女性/ジェンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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