老いの楽しみ (岩波現代文庫 文芸 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006020033

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  • 静かに堅実にしなやかな頑固さで生きた女性。

    下町の規律と人情が人柄の根底にある。

    「誰も彼も世話好きで、困っている家があればすぐ飛んで言って手を貸すのが当たり前になっていたけれど、お互いの位の中に首を突っ込むことは決してしなかったから、よけいな神経を使うこともなく、なんとなくフンワリと暖かい毎日があったような気がする。
    少々貧しい人も豊かな人をうらやまないし、すこし豊かな人も、貧しい人を見下したりしなかった。」「いいことは自分のせい、悪いことは人のせいにしてはいけない。」
    心にさす名言。

    小雨の降る朝、竹篭をもって新聞受けまで歩き、ポストにぎっしりとさしこまれた6種の新聞を取り出す。
    朝の片付けの後の2時間ほどかけてゆったり読む。
    夫婦どちらかが時間がないときは、ゆっくり読んだほうが「本日のおすすめ品」として赤鉛筆でしるしをつける。
    「知りたがり屋の老人」生活、あこがれる。

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著者プロフィール

1908年(明治41年)東京・浅草生まれ。俳優・エッセイスト。本名大橋貞子。日本女子大学在学中に新築地劇団に参加。前衛演劇運動に加わって投獄を経験する。34年、日活太秦現代劇部に入社、映画俳優としてデビュー。小津安二郎監督作品をはじめとした映画、舞台、テレビで名脇役として活躍した。生涯で出演した映画は100本以上。78年には、半生をとりあげたNHK連続テレビ小説「おていちゃん」が放送された。89年に俳優を引退。文筆にも長け、77年『私の浅草』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。ほか『貝のうた』『わたしの台所』『わたしの献立日記』など著書多数。96年(平成8年)没。

「2023年 『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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