- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006022099
作品紹介・あらすじ
『銀の匙』が時代を超えて共感をもって読まれ続けるのはなぜなのか。この名品の文章に寄り添い、表現に織り込まれたメッセージを周到に抽きだしてその謎を解きほぐす。多くの図版資料を随所に収め、彫琢をきわめたこの作品の肌理と佇まいがおのずと浮かびあがる。読者を魅了してやまない勘助の美しい文学世界の息吹がみち溢れる一冊。
感想・レビュー・書評
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こんなにじっくり「銀の匙」を読んでいなかったので、新たな発見が多かった。その時代背景や同年代の作家のことが載っているのもよく、再読するほど味わい深さがますと思う。
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「銀の匙」が「岩波読書」のアンケートでもう一度読みたい本の圧倒的1位になったことは記憶に新しい。この本の魅力を解き明かしてくれており、幼心で年上の女性への憧れと別れの連続であったことがよく分かる。伯母、お国さん、お恵さん、そして友人のお姉さん。著者が「この小説が私たちに与えてくれるのは決して単なる郷愁ではなく、私たちが大事なものを失ったことに対する痛み」と語っていることは簡潔に言い表している。誰しもが甘酸っぱい記憶があるが、それを失ったことが課題だと感じさせるからなのだろう。もう「銀の匙」は一度あるいは何度でも読み直してみたいと痛感した。
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明治の社会、文学から『銀の匙』の魅力を分析。
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人生で中勘助という作家に出会うことがなかった。
銀の匙を読むこともなく、十川氏の解説を先に読むことになるのですが、魅力は充分感じます。
「銀の匙」を読んでみたいと思います。
繊細で、やわらかな性格。
聡明で、多感な少年期。
自らに当てはまるような気もして・・・・・。