現代語訳 枕草子 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 91
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022358

作品紹介・あらすじ

『枕草子』は、日本の代表的な随筆文学。各章段のテーマは、自然、儀式、文学、宮廷内の事件と、作者清少納言の旺盛な好奇心の趣くまま、様々である。物事への好悪のはっきりした個性と、鋭敏な感覚、連想を次々に繰り出し、リズミカルな文体で書き継がれ、読む者を飽きさせない。千年前のひとりの女性の偽らない心の動きは、今もなお新鮮である。大庭みな子の訳文は、作者の息遣いを伝える、彩り豊かなものになっている。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすいのでスラスラとあっという間に読んでしまった。定子に仕える身であれば、道隆死去の後、けっして道長のことを快くは思わなかっただろうに、道長のことを書く時にもそうしたわだかまりは枕草子には一切うかがえない。清少納言の本心ははたしてどうだったのだろうか。
    枕草子を執筆した意図はなんだったんだろうか。この本の最終段、内大臣伊周が定子に贈ったたくさんの紙を清少納言は譲り受け、心に浮かぶものをそのままたわむれに書きつらねた、とある。
    枕草子には清少納言の定子への深い尊敬と愛情があふれている。
    定子こそが一条天皇最愛の后であり、その才知あふれ人間味豊かな定子サロンの記念碑としての意味が枕草子にはあったんだろうか?
    左中将経房が清少納言の書いた草子を持ち帰ってしまい、その時からこの草子はひとり歩きをしはじめた、とある。人々に読まれるようになったこの草子に、定子の美しい姿を記し、人々の記憶に残そうと清少納言は考えたのか?

    この本を読み終えて最も知りたいところだ。


  • 開始:2023/1/28
    終了:2023/2/2

    感想
    良いものと悪いもの。好き嫌いをはっきり言えるのは文章だからか。筆者の明晰さと宮様への憧れが滲み出る。海月の骨の話が欲しかった。

  • ちょっとわからなかった。評価はできない。

  • 帯文:”人と自然の「をかし」を描いた王朝文学の世界”

    目次:四季の美しさ(第1段)―春はあけぼの、中宮がお産のために(第8段)、命婦のおとどという名のねこ(第9段)、清涼殿のはなやかさ(第23段)、女の生き方(第24段)、興ざめなものは(第25段)―すさまじきもの、いやなにくらしいもの(第28段)―にくきもの、…他

  • 文章の力は凄い.1,000年の時を超えて,清少納言の為人,そして独特の平安文化をまざまざと紙の上に浮かび上がらせる.それにしても,清少納言は切れに切れる女性のようで,その能力を共有する方が殆ど居らず,ニヒルに人間観察をしていても物憂げな印象を随所に受ける.また,春は曙〜に代表される自然への感受性は,達観した孤高の悲しく儚げな雰囲気を醸し出す.原文で読むと,独特のリズムに新たな印象を受けるかもしれない.

  • 原著のお供に侍らせて。
    全段訳していないのはマイナスだが,独自の寸評がプラス。
    鋭い。

  • 著者による、枕草子の現代語訳です。順番も編集されてます。

    それでも、平安時代の人々、特に貴族のくらしが目に浮かびます。

    今度は原文を読みたいと思います。


    ブログはこちら。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4648835.html

  • 笛は横笛。鳥は鸚鵡。
    ・・・が、個人的にはうれしかった。
    遠くて近いは男女の仲・・・も清少納言だったんだ。

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著者プロフィール

1930年、東京生まれ。津田塾大卒。68年、処女作『三匹の蟹』で群像新人賞、芥川賞を受賞。代表作に、谷崎潤一郎賞作『寂兮寥兮(かたちもなく)』、野間文芸賞作『啼く鳥の』、川端康成文学賞作『赤い満月』など。小説の他にも、詩、エッセイ、評論、翻訳など幅広い著作を生み出している。芥川賞など数々の賞の選考委員もつとめた。

「2005年 『大庭みな子全詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大庭みな子の作品

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