風にそよぐ葦(上) (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006022631

作品紹介・あらすじ

「君のような雑誌社は片っぱしからぶっ潰すぞ」-。日米開戦前夜から戦後の日本国憲法施行に至るまでを時代背景に、出版社・新評論社社長の葦沢悠平とその家族の苦難を中心に描いた社会小説の名作。上巻では、四一年九月第三次近衛内閣崩壊直前から横浜事件を核に、一連の言論弾圧とそれに振り回される人々の受難を活写する。

感想・レビュー・書評

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  • 2019年2月10日、読み始め。
    2019年3月2日、読了。


    ●2023年5月14日、追記。

    著者、石川達三さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    石川 達三(いしかわ たつぞう、1905年〈明治38年〉7月2日 - 1985年〈昭和60年〉1月31日)は、日本の小説家。社会性の濃い風俗小説の先駆者で、『蒼氓』により第1回芥川賞受賞。華中従軍から得た『生きてゐる兵隊』は発禁処分を受けた。戦後は、新聞小説や社会における個人の生活、愛、結婚をテーマにした作品でベストセラーを連発。書名のいくつかは流行語にもなった。記録的手法に拠る問題意識の明確な作風が特徴。

    ---引用終了

  • 怒りが底流にあって・・・。
    バカ女のために、思慮の浅い若者のために、愚かな民衆のために・・・・、くだらない戦争も、くだらない無駄死にも・・・・。

  • 第二次世界大戦の前夜から戦中までの、市井の人々の生き様が、わかる言葉で描かれている。当時の空気がなんとなくわかる。

  • 内閣情報局の鈴木庫三がモデル。
    「私たちはどこへ」より。

  • 合本で手に入れて読みました。かなりのボリュームながら驚くほど引き込まれ、サクサク読めてしまいあっという間にラストでした。これが初代芥川賞作家の実力でしょうか。国民がみな「風にそよぐ葦」であり、大きな力に翻弄されてしまうんだということがよくわかる。ところどころ、今の日本人と重ね合わせてしまうところもあり、太平洋戦争直前から戦中、戦後のちょっと上流のインテリ人の様子が丁寧に描かれていて、それがちょうど現代の感覚に近い気がします。いろいろ勉強になりました。

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