獄中記 (岩波現代文庫 社会 184)

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  • Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006031848

感想・レビュー・書評

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  • ハイエク
    ハーバーマス
    監獄の誕生
    ローレンツ『ソロモンの指輪 動物行動学入門』ー刷り込み
    旧約聖書
    沈黙
    太平記
    灰色のユーモア
    など、言及されている本も読みたくなる。

  • とにかく獄中記は深い思索のもので書かれているので面白い。
    本(それも小説や実用書ではなく学術書、それもテキストとなるような書物)を精読するというのは一生の経験になるであろうな。

    自分は本を読むと言っても、下読み、あるいはそれに毛の生えた程度なので、とてもとても精読していると呼べる本等ありはしない。
    今後の課題はそういった本を何冊かでも見つけ精読すること。

    深い洞察が折に触れて出てくる。
    それらを読み返したいと思うときがくるだろう。

    そのときのためにも手元においておきたい。

  • 半分くらい読んだ

  • 真実がどこにあるのかはわからない。
    わからないが、512日間の強烈な精神力がここに描いてあった。
    真似などできるものではない。

    [more]
    (目次)
    第1章 塀の中に落ちて―二〇〇二年五月二〇日(七日目)から七月二八日(七六日目)まで
    第2章 公判開始―七月二九日(七七日目)から九月二七日(一三七日目)まで
    第3章 獄舎から見た国家―九月二八日(一三八日目)から一二月三一日(二三二日目)まで
    第4章 塀の中の日常―二〇〇三年一月一日(二三三日目)から六月一五日(三九八日目)まで
    第5章 神と人間をめぐる思索―六月一八日(四〇一日目)から八月二八日(四七二日目)まで
    第6章 出獄まで―八月二九日(四七三日目)から一〇月九日(出獄後一日目)まで
    付録

  •  鈴木宗男氏の事件で勾留された筆者の、猛烈な思索の記録。プロテスタントとして神学を軸にしながら、ヘーゲルやハーバーマスとの対話を通じて事件の整理を試みる。

     筆者(と鈴木氏)は、一連の「汚職事件」を国策捜査であるとし、鈴木外交の国策としての正統性をかけて裁判に臨む。それと並行して、この事態の分析を進めてゆく。その分析の原動力が、獄中での圧倒的な読書。

     筆者は、元官僚、外交官として、国策捜査の必要性を認めている。しかしながら、小泉政権の判断は間違っていると明言している。反対に政権から見れば、革命的に物事を断行するのに、鈴木氏の存在、思想ははなはだ都合が悪かったということなのかもしれない。

     そこで、鈴木氏らを「悪者」とし、断罪することで、時代を新たな方向へ進めることを可能にした。国民もそれに賛同した。

     しかし、「新たな方向」が、望ましい方向とは限らない。すべては、歴史が明らかにするだろう、と筆者は見る。

    さてさて、どうなることやら。

  • 東2法経図・開架 B1/8-2/184/K

  • かなり濃い日記。本気の日記。佐藤優の考えを学ぶには必須だと思うが、読み物としてはちょっと重い。

  • 塀のなかにいることを
    ある種楽しんでるよーな?

    もしくは

    せっかくの機会だから活かそうとしているのか?

    どちらにせよ
    一般人からすると奇人変人の類い


    知の巨人という渾名も分からんでもないです。

  • 『基礎体力さえできていれば、人間の能力は与えられた器に合わせてできる。これがポストが人を作るということ。組織には、組織が必要とする水準に個人の能力を引き出す本性がある』

    獄中記というのは堀江さんの本もそうだけど、大体興味深く読めます。
    この本は知の怪物、佐藤さんが服役していた時の日記です。
    怪物に有り余る思索の時間を与えるとどんな思考を生み出すのか?
    そんな意味でも興味深く読めた一冊です。

  • 強靭的な精神力の持ち主。どんな状況においても自身の考えを曲げずしっかりと持ち続けていることがすごいと思った。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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