- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006033279
作品紹介・あらすじ
社説「関東防空大演習を嗤ふ」で軍部を激しく怒らせた桐生悠々。明治末から日米開戦前夜まで、『信濃毎日』『新愛知』の主筆として、また個人雑誌『他山の石』の発行人として、反戦と不正追及の姿勢を貫いた烈々たる生涯を時代の変転のなかに描き切る。五男による回想「私にとっての〈親子関係〉」も収録。[解説=青木理]
感想・レビュー・書評
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名文である。筆者の桐生悠々に対する愛情がひしひしと感じられる。
現在でも、首相と飲食を共にする新聞社の主筆や編集委員がいるという現状を仄聞するにつけ、自分たちの大先輩に当たるとも言うべき桐生悠々が貫いたジャーナリストとしての矜持は、いったい奈辺にあるのかと情けなくなってしまう。
それにしても、特高警察による出版物検閲や差押えの恐ろしさ。そんな時代が二度と来てはならない。たとえ少数といえども、「嵐の夜でも鳴き続ける蟋蟀」の心意気に期待したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なぜ、あの戦争が起きたのか興味があり、関連した書籍の中で桐生悠々の名を知った。
1980年に発刊された本が再販になったとのことだが、文章は全く古さを感じさせない。
本文はもとより、5男の方が特別寄稿しているが、本質を捉えていると感じる。
解説で述べられている、悠々が果たしてたのは「義務の履行」であったと。なるほどと思ったのと同時に、その難しさを感じた。
良書でした。 -
東2法経図・6F開架:B1/8-2/327/K