- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022143037
作品紹介・あらすじ
16世紀、数万人が迫害を受けて死んだ”魔女狩り”。その狂気の時代に魔女と断罪された人々に寄り添い、医療の力で救おうとしたひとりの医師がいたーー。精神医学の先駆者でもある実在した医師ヨーハン・ヴァイヤーを描いた歴史ドラマがついに書籍化!人を助けるためならば、教会との対立も厭わない師匠アグリッパの強い姿勢に心を打たれたヴァイヤーは医師として独り立ちをしていた。ある日、毒死した女性を検視していたところ水差しの底に「悪魔の印章」を発見する。これは悪魔の仕業なのか!?
感想・レビュー・書評
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中巻も面白かった。
つい誤解しそうになるけど、主人公は現代の私たちとは違う。あくまでも神も悪魔も実存を信じているんですよね。魔女は病気と言っても、病院で弱っているから悪魔に惑わされやすくなる、という考え方。
さて、残る下巻がどうなるのか。
楽しみです。
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あくまで中世の世界観の中で「魔女をまも」ろうとしているところが面白い。神も、悪魔も、魔女も、その存在はおおいに認められているし、検死解剖は行われていながら、医学科学もまだまだ発展途上(四体液説。むしろ遠く古代ギリシャまで遡れる学説が中世ヨーロッパでまだ通用しているのに驚く)で、しかも容易にオカルトと結びつけて考えられている。あらゆる現象に主体的な意思の存在を信じる。これもそういうことなんだなと、最近読んだ『ヴァンパイアと屍体―死と埋葬のフォークロア』を思い返した。
伝染する恐怖という普遍の病理、魔女の発生メカニズムの描写がとても怖い。教会のやり方も。現実にはもしかして、刑場に引き出された時点で五体満足の「魔女」すらいなかったのでは……。 -
「人は見えないから恐れる」「知らないから怖い」これは本当にそうだと思う…。知識は身を助けるよなあ。