魔女をまもる。下 (Nemuki+コミックス)

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.30
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本棚登録 : 149
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022143044

作品紹介・あらすじ

16世紀、数万人が迫害を受けて死んだ”魔女狩り”。その狂気の時代に魔女と断罪された人々に寄り添い、医療の力で救おうとしたひとりの医師がいたーー。精神医学の先駆者でもある実在した医師ヨーハン・ヴァイヤーを描いた歴史ドラマがついに書籍化!公爵の命令で、人狼騒ぎを収めるために村に派遣された医師・ヨーハン・ヴァイヤーと騎士のゲルハルト。悪魔の恐怖に怯えた村人たちは発狂し、暴力沙汰を起こす中、そこに分け入ったヴァイヤーは「人狼を救いに来た」と村人たちに告げるのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻冒頭の人狼事件は意外な結末を迎えました。
    事実としてこういうことがあったのか創作なのかは不明ですが(多分創作なのかな?)、このヨーハン・ヴァイヤーさんは教会にだいぶ敵が多かった事でしょう。
    公爵の侍医であったことは幸いでした。

    本作はラストシーンですっきりしないものを残して終幕となっていますが、この物語の後に魔女狩りが更に苛烈になっていったことを思えばそれも納得です。

    それにしてもローマカトリック教会が絡むお話はどうにも陰惨なものが多いように思えますね。
    信仰が自由な国と時代に生まれた幸運をつくづく思います。
    畏れから疑問や批判を口にできないって、辛いことですよね。

  • ソノラマの名前が、、、
    【公式】魔女をまもる。 [マンガ無料ためし読み]|ソノラマプラス
    http://sonorama.asahi.com/series/post-43.html

    朝日新聞出版 最新刊行物:コミック:魔女をまもる。 下
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22363

  • ようやく再び1551年の人狼事件の続きへ。ヨーハンの前に現れた狼を追っていった騎士ゲルハルトは、その狼と、双子の少年を発見する。少年の一人は狼の血を飲んで発狂したように叫んでおり、ゲルハルトは彼こそが人狼だとして剣で殺害。その双子は村を治めているリンケの息子たちで、狼は小さいときから彼らが育てていたものだった。結局最初の被害者マルテの人狼騒動は虚言であったことも判明、しかし殺された双子の片割れエーミルは狼を使役していた悪魔憑きだったとされていったんは解決する。

    しかし今度は、生き残ったほうの双子の片割れエーデルが人狼化してマルテを噛み殺すという事件が起こる。やがて双子の母ヘルダが自分が子供たちに狼の血を与え続けたと名乗り出、村の神父ギーツェンは、リンケ一家を全員魔女であるとして魔女裁判にかけようとする。エーデルとヘルダを診察したヨーハンは、彼らの症状が阿片中毒者にそっくりなことに気づき…。

    正直この事件は、実は神父が彼らに阿片を与えて洗脳していたという突拍子もないオチで、そりゃないわーとちょっと思ったのだけど、とりあえず魔女とされた人々を、ヨーハンが「まもる」ことがようやくできた。ヨーハンが仕えている領主の家系には代々狂人が出るため、彼はヨーハンがそれを治療してくれることを期待している。現代なら心の病とわかる症状が、悪魔の仕業とされた時代に、魔女をまもった人物がいたことを知れただけでも収穫だった。

  • 人狼事件の決着。教会の腐敗からすると、ギーツェン神父はあながち純正フィクションじゃないのかもしれない……。教会関係者のそういう行状を記録ないし研究した文献とかないだろうか。あっても焚書かな。
    しかし火刑の結末にはいまいち納得いかない。あくまで異端だから裁かれている、という感じだからかも。他者、百歩譲って「善良な信徒」に対して働いた悪事を糾弾されたわけじゃなさそうだなと……。うーん、中世。
    ヨーハンが侍医として仕えるヴィルヘルム5世も「魔女」になりうる懸念を仄めかして幕。貴人の鬱・気狂いはなんだかんだ大丈夫な気がするけど、スペイン・ハプスブルクのカルロス2世を根拠にするには王家の規模が違いすぎだろうか。
    ヨーハンも魅力的だったけど、台詞回しの点でアグリッパが先にお株を奪って行った感じがある。核心のところはもう少し強烈に雄弁な感じで見たかったかも。

  • 医術で戦い通した…この時代にこんな行為を取れる勇気がすごい。改めてヨーハン・ヴァイヤーは面白い人だなあとしみじみ。
    最後ちらっとジャン・ボダンも出てきて、にっこりしてしまった。

  • 16世紀のヨーロッパ、魔女狩りの時代に医学的立場から魔女を救おうとした実在の医師ヨーハン・ヴァイヤーの姿を描くフィクション。上中下の3冊同時発売。作者の槇えびしは「アフタヌーン」で「天地明察」のコミカライズを担当していた人。とある村で発生した人狼事件を発端に、ヨーハン・ヴァイヤーが何故魔女を守ろうとするのかその成り立ちが描かれる。安易にめでたしめでたしにならない苦い展開。師であるアグリッパとの考えの違いなども面白い。一気呵成に読んでしたまった。2020年のベスト10に入る傑作。

  • アグリッパ好きだわ、この巻出て来ないけど。

  • 面白かったけど、締め方がもうひと工夫欲しかった。

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著者プロフィール

漫画家、イラストレーター。装画に『さよ 十二歳の刺客』、『星の旅人』、漫画に『天地明察』、『朱黒の仁』、『魔女をまもる。』他作品多数。

「2019年 『万人の父になる 佐竹音次郎物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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