- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022507266
作品紹介・あらすじ
顧問弁護士と監査役の立場から父親を糾弾する息子の葛藤とは?樋山は不動産会社を創業し、年商1500億円の上場企業にまで成長させたオーナー社長だ。ある日、監査法人からトンネル会社の不正を指摘され、社内に激震が走る…。国際弁護士作家の書き下ろし傑作・企業法律小説。
感想・レビュー・書評
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ワンマンオーナー桶山社長が、順調に会社を成長させた。
心臓病を抱えて、69歳の年だった。年商は1500億円。
株の時価総額が 500億円を超えていた。会社は1969年に設立した。
矢内安正弁護士は、その会社の社外監査役になった。
もともと、斎藤弁護士が会社の顧問で、後を継いだのだった。
そして、その矢内は、桶山の婚外子だった。
株を持っていない社長はいったい誰のために稼ぐかが問題。
桶山には、自分の中に黒い犬が住んでいるように思えた。
自分のしてきたことに何の意味があるのかと思ったりした。
69歳という年齢であることで、
黄昏が見えてきた時に、経営者の中に去来する思いを
描こうとする。補佐役であった掛川の独白と桶山の独白。
いったい何のためにいうことの答えがないまま、黄昏て行く。
株式の上場も廃止して、会社のあり方も変わって行く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今まで読んだ著者の作品の中で最も読み応えがあった。
ビジネスの知識の観点でも、人間の物語の観点でも、非常に濃い内容だった。 -
なぜ、この本に「利益相反」というタイトルが付けられたのだろうか?どちらかといえば、老年期を迎えたオーナー社長の死生観が主題だったのでは・・・とも思える内容だったが。
利益相反については、該当のシチュエーション設定がどうにもおまけ程度の扱いとしか思えず、何だか腑に落ちない。 -
大企業の創業社長とワンマン経営に引きづられる顧問弁護士、それに対峙する取り巻きの物語。誰もが形式的な法律の殻は破れないとの結論。
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展開がたるい。申し訳ない。最後までつきあえなかった。
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自分は、会社法を勉強しているので、この本を読みながら、法律的な内容を考えながら読むことができました。
企業には、様々な利害関係者が周りを取り巻いているわけですが、その中で、各々がどう行動することが、法律的に正しいのか。
人間として考えることはあっても、あくまでも、プロフェッショナルとして決断を下す苦しさが伝わってきます。