職業は武装解除

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022507464

作品紹介・あらすじ

紛争地帯で、自分よりも権力のあるものに翻弄される人生を送る人々と、政治家の無責任な発言に不安を覚え、未来が描けなかった自分を重ね合わせた高校時代。でも、私たちは努力さえすれば状況を変えられる社会に生きている-。24歳で国連ボランティアに抜擢され、27歳でアフガニスタンのカルザイ大統領から助言を求められるようになっていた。そのすべては、小さな決意の積み重ねからはじまった。「世界が尊敬する日本人25人」(「Newsweek日本版」)に選出された著者による初めての本。

感想・レビュー・書評

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  • 兵士から武器を回収し、代わりに生活できるようなスキルを教える。
    そんな〈武装解除〉を仕事にする筆者の、自伝的エッセイ。

    読み応えがあった。

    大学選びから、経験を積んでいく過程が、とにかくタフでパワフル。
    紛争問題を学ぶ王道はないため、自分で考え、その道筋を開拓していく。
    その行動力に、脱帽。

    すべてが現場であり、最前線。
    ニュースで見聞きした紛争地や内戦の場所に、常に立ち、活動しているという印象。

    たくましい生き方を尊敬するとともに、悲惨な現実や、筆者の思いに、何度もぐっときた。

  • 国際協力や平和構築に関心があったものの、仕事ではまったく別のことをしている私にとって、この本は筆者のように仕事にはできないと一種の諦めを与えてくれる本でした。それくらい筆者は淡々と記載しているがハードなことをしておりすごさを感じます。
    内容は具体的ではあるが一般にもわかりやすく書いてくださってるおかげで、関心がもてる内容でした。

  • 現、日本紛争予防センター事務局の瀬谷さんが今までどこの組織に所属し、どんな仕事をしてきたか書いた本。
    なぜ国際協力関係の仕事を選んだのかなども書かれてるが、こんなに自ら飛び込んで行く人もいないと思う。

    たくさんの組織に所属して、行われた活動は多岐に渡り、とてもこの一冊では書ききれないだろう。
    簡潔にまとめられている。

  • 題名が非常に秀逸です。これでがっちり興味を惹かれます。
    武装解除という響きを日本で聞く事はまず無いですし、どういう事をするのかも分からないですね。ヘタをすると戦闘したりするのかななんて思ってしまいます。
    全くの正反対で、独裁政権の崩壊で民主主義に変わるとき等に、軍隊を解体して非武装の民間人に戻す為、武器を回収して兵士たちに職業訓練などを行う仕事です。
    当然今まで武器を持って、いざとなったら殺し合いも辞さない覚悟で生きている人々から、武器を回収する訳ですから、場合によっては反発や反感を買う事もあります。脅迫されたり対立したりしても毅然と対応しなければいけないし、何より身の安全も確保しなければいけない。20代前半からこの世界に身を投じて、国連やNGOでスキルを磨き、日本人有数の専門家になった女性の来歴が書かれています。
    朗らかな笑顔で写真に写っていますが、相当な胆力と気合と頭脳が無いと務まらない仕事です。とても真似できないし真似しようとも思えない危険な仕事です。
    ルワンダの虐殺の衝撃で自分にも出来る事が無いかと模索した結果、武装解除という仕事についたとの事なのですが、僕自身映画などで見て衝撃を受けたものの、民族紛争であり遠い世界で起こっている事だとしか思いませんでした。
    やはり世界を変えようと考える人というのは行動力がすごい。度胸もですが目標を見据えて自分の中に目に見えないスキルを積み重ねていく努力が一番凄い。手段を得る為の不断の努力でいつの間にやら唯一無二の人間になっていっています。
    また先の彼女の体験談等を読みたいです。

  • 久々に刺激される本に出会った。とにかく線めいっぱい引いてしまった。参考になるところ、共感するところが多すぎる!昔、興味を持っていたこの分野。刺激を受けて、興味を呼び覚まされるかと思ったけれど、瀬谷さんの幼き頃からの小さな努力と行動の積み重ねを目の当たりにして、今更目覚めて後追いしても何にもならないと痛感。今の自分にできること、求められていることを確実にこなしていこうと改めて思いました。
    次々とすごいポストをゲットしているように見えますが、実は自分に必要なこと・やるべきことをきちんと分かっていて、それが叶えられる場所や機関、人にきちんとアクセスするという行動を取っていて、しかも与えられた職務をきちんとこなして評価を得ているというサイクルの上に成り立っているものだと気付かされました。

  • 2016年に読みたい本に登録して、6年越しに読めた本。
    読んでよかった!面白くて読みやすくて、久しぶりに1日で読了。
    地元にこんなにエネルギッシュな方がいたんだと知れて元気をもらった。
    34歳の時点でこの本を出したみたいで、私とあまり変わらない!
    でも行動し始めはとても早く、種のまき方もとっても上手。情報収集と自己分析が基礎にある。

    交渉?対話?により、武装解除をさせることが専門というレアなキャリアを持つ筆者。
    紛争地帯での武装解除には、武器を捨てさせること、戦わせないこと、普通の生活に戻る支援の3段階が必要。再度戦争をさせないために、どうしても被害者よりも加害者が優遇されてしまう仕組みがあること、その上で成り立つ「ギリギリの平和」は「みんなが仲良く」というものではないこと。とてもリアリティがあった。
    ものすごい体験をたくさんしていて、世界を知れた。
    また、武装解除において「日本」という国はとても重要な役割を果たせるということは少し日本を見直すきっかけになった。そういうところで頑張ってほしい。

  • この本を読み、初めて知ったことがたくさんありました。内戦や紛争が終わった事で終わりではなく、武器を手放し手に職を持ち治安が安定し国連やボランティアの方の力を借りずに生活が出来てやっと戦いが終わるという事。今も世界のどこかでは戦争や紛争が起こっています。私は戦争を知らないので、他人事のように考えてしまいますが、目指す所は同じで「亡くなった人達が、また生まれてきたいと思う国をつくる」という事。日本もですし、どの国でも共通の願いです。瀬谷さんの武装解除という仕事が一日も早くなくなりますように。

  • まっすぐな想いに突き動かされて、「自由に行動ができる権利」を世界中の人たちが持てるようにと、ずんずん突き進む行動力。しかしそれは思い付きではなく、冷静な戦略ともいうべき考えに基づいている。
    そしてその行動が色々なところでつながって次第に影響力の大きな仕事ができるようになる。

    自分だって何かできるはず…と心に響く一冊。

  • "私たち一人ひとりが持つ自由に行動できる権利の使い方を考えてみてほしい"

  • プロフェッショナルで出会った瀬谷さん。小さい体で大きなことをしているな。という印象を受けた。著書を読んでもその印象は変わらず。武装解除。いかつい名前の職種だけど。働く人。というカテゴリは変わらず。やらない言い訳をしない。真摯に目の前の仕事に取り組み、世界という目からみた日本の立ち位置を考える。素敵な女性。

  • 自分が状況を変える

    非常に印象深い本だった。
    紛争地帯を回り、現地での武装解除、平和樹立への礎を築く。
    その仕事内容にはもちろん目を奪われるが、一番印象的だったのはその道への方向を決めた時だ。
    それは17歳の時に進むべき道を探す過程で、1枚の写真を見た時だ。
    新聞の一面にあった、動けない母にすがりつく子どもの写真。
    世界の片隅で起こっているとして流しかねないが、それに大きな違和感を抱いた著者はそこから自分の進みたい道を固めていく。
    その気づきと行動。それが著者の一番の武器だろう。

    1.想像力。相手になったつもりで自分と対話する。
    2.あと一歩。もうダメと思った時に「あと一歩」進んでみる。成功でも失敗でも前に進んでいる。
    3.俯瞰。遠い未来から今の自分を見た時に、後悔しない選択肢をとる。

    戦闘終了後の立て直しは非常に困難な仕事だと思う。
    昨日までの敵が隣人になる。戦闘中にはあった力関係がなくなり、無秩序社会になる。今、どうすれば生きていけるのか分からない。
    戦争は止めて終わりではなく、市民が安心して生活できる環境を形成して初めて、平和になったと言える。

    援助は与えるだけではない。
    本当に必要なのは、自分たちだけで生きていける力だ。

  • 以前NHKの「プロフェッショナル」に出演していたときから注目していた瀬谷ルミ子の最初の著書。この人の職業の武装解除とは、アフガン等危険な紛争地域に赴き、兵士に武装解除(DDR)プログラムを推し進めるという、平和な日本では想像もできないような内容。ただ武装解除させるだけではなく、地域の事情も鑑みながら兵士に再出発の方向性を示唆していくという、フレキシブルな対応も求められる。
    著者は仕事内容を文中でさらっと簡単に述べているが、実際はすごい大変な仕事だよな。まだ若いのにすごい人だと思う。
    惜しむらくは内容が一冊に詰まりすぎていて、もっと細部に知りたいところが多かったのにと感じるところかな。とにかくこれからの動向が気になる人の一人である。

  • 友人の勧めで手に取った本。
    人物紹介には「世界が尊敬する日本人25人」に選ばれた人とある。
    初めての著書とあるが、論文やレポートを書き慣れているせいだろう。文章がすっきりしていて読みやすい。「1人でも何かできることを」の思いが実践に結びつく。いろいろなことを考えさせられたし、生き方についても刺激を受けた。
    このような行動力あふれた若い日本人の存在を知ることができて嬉しい。
    彼女のあっぱれな実践に敬意を表して★5つ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「初めての著書とあるが」
      実際は初めての単著ですよね。
      それは、どーでも良いコトで、日本の理念を体現して、世界に広めてくださるコトに感動して...
      「初めての著書とあるが」
      実際は初めての単著ですよね。
      それは、どーでも良いコトで、日本の理念を体現して、世界に広めてくださるコトに感動しています。
      9条を改悪して儲けようと躍起になってる人が多いから、誰もそうは思っていない?
      2012/10/12
  • 世界にもほとんどいなかった武装解除の専門家という道を自ら切り拓き、世界中の紛争地に赴き、武装解除を行う団体の代表 瀬谷ルミ子氏のこれまでの活動をまとめた1冊。

    私たちは様々な事を選択ができる権利を持っているが、紛争地の人々はそれすら持たない。私たちはこの権利を最大限に使える可能性を試されている。
    生まれ変わってもこの国に生まれたいと思える国をつくりたい
    というメッセージが繰り返し出てくる
    著者の力強い覚悟や判断力に随所で鳥肌。

    読みながら、時期的なものもありますが大阪のことを思ってしまった。
    一人の考えや力は途方も無く小さい。年を重ねる程にそれを痛感し、あきらめ、もはや誰かに委ねる心持ちに陥ってしまう。これはとてつもなう危うい。誰かの言葉に感化されやすく、泥酔しやすい。わかっているような事をいいながら後から、こんなはずじゃなかったと憤慨しがちだ。強烈なメッセージを発する人には、受け取る側もそれなりの強さや深さがなくては真意が読めない。

    本文中に
    自分の気持ちに迷いがあるときほど、誰かに対しての罪悪感が大きい
    とあった。その通りだと思う。誰かに悪いからという言い訳は判断材料としては弱い。改めて今の自分に置き換えて汗が出た。

    身の回りの問題すら解決できないのに、世界の問題を解決できるはずがない
    ともあった
    これもその通りだ。自分の仕事や生活に置き換えて、すごく気合いの入る言葉だ

  • 彼女の仕事は紛争地にて武装解除を行うこと。けれども武装解除をしたといって、平和が訪れるわけではない。武器が捨てられてからも、加害者も被害者も、生きていかなければならない。彼らが再び争うことなく自分たちの手で生活していけるためにどうすればよいのかを考え、実行していく。

    面白かった。そしてかっこいい!「代替案のない批判はただの愚痴」といってのける彼女がものすごくかっこいい!痴漢のところなんかおかしくて、電車の中なのに笑ってしまった。こんな素敵な日本人がいるなんて。

  • 4.16/629
    内容(「BOOK」データベースより)
    『紛争地帯で、自分よりも権力のあるものに翻弄される人生を送る人々と、政治家の無責任な発言に不安を覚え、未来が描けなかった自分を重ね合わせた高校時代。でも、私たちは努力さえすれば状況を変えられる社会に生きている―。24歳で国連ボランティアに抜擢され、27歳でアフガニスタンのカルザイ大統領から助言を求められるようになっていた。そのすべては、小さな決意の積み重ねからはじまった。「世界が尊敬する日本人25人」(「Newsweek日本版」)に選出された著者による初めての本。』


    『職業は武装解除』
    著者:瀬谷ルミ子(せや るみこ)
    出版社 ‏: ‎朝日新聞出版
    単行本 ‏: ‎192ページ

  • とにかくエネルギッシュで行動力が凄い。圧倒されました。
    自分にも何かできることがないか、何か行動してみたい気持ちにさせてくれる。

  • 自分には自由がある。その自由をない人のために使いたい。そんな優しい心を持った筆者の生き方をわかりやすい日本語で記されている作品。大人でも子供でも読める工夫がされている。色々と生き方を考えさせられる。

  • 武装解除を専門にやっている人の体験談
    知らない世界だ。

  • DDRを支援する方法も述べられているが、DDRを支援する人としての考え方や行動が多く述べられているように感じた。

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