マリー・アントワネット 運命の24時間 知られざるフランス革命ヴァレンヌ逃亡

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509031

作品紹介・あらすじ

亡命失敗、フランスに王がいなくなる日。刻々と迫る断頭台への道程。革命に翻弄された王妃の真実とは?-。

感想・レビュー・書評

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  • マリー・アントワネットの出てくるものといえば
    ベルサイユのバラ そして ラ・セーヌの星という
    漫画とアニメを子供の頃 目にしていたので
    なんとなく 時代背景がわかっていたので
    とても読みやすかったです。

    そして この著者の文章はとても読みやすいので
    ぐんぐん引き込まれて読みました。

    それにしても、 細かく時間が表記されていて 
    はじめはびっくりでしたが、
    ルイ16世は まさか 殺されるとは思っていなかったからきちんとメモしていたとは。。。
    こういう事実があったのですね。

    この24時間だけでも 映画になりそうですね~~
    (そういえば 24っていう映画あったけ? 48だっけ???)

    当時の国民のつらい生活のはけ口として
    マリーが選ばれてしまったようで、
    時代にもてあそばれてしまったようで、
    可愛そうですね~~

  • 面白かった~!
    ヴァレンヌまでの逃亡の様子が刻銘に綴られています。
    どこからどこまでは史実で、どこからどこまでがフィクションなのか
    わかりませんが、最後までドキドキし通しでした。

    アントワネット本やフランス革命本が必ずページを割いているこの事件。
    ヴァレンヌ逃亡のくだりはどれを読んでも、何度読んでも、
    ものすごい緊張感を強いられるのですが、この本はその中でも最高にストレスフル!
    終始、固唾を飲み続けることになります。

    ベルばらに描かれるルイ16世は優柔不断だけどお人よしで優しい性格が
    好印象なんだけど、この本読んだらルイ16世が嫌いになる。
    そしてますますアントワネットが好きになります。

    アメリカ独立戦争で共に戦った有能な二人の男性、ラ・ファイエットとフェルゼン。
    逃げるフェルゼンに追うラ・ファイエット。
    おそらくお互いにお互いの能力を承知しているはずだ。
    この二人の才碗対決はフェルゼンが途中で逃亡メンバーからの離脱を
    余儀なくされた時点でラ・ファイエットに軍配が上がったのですが、
    フェルゼンが王家の先導役を最後まで果たしていたらどうなっていただろう?

    「歴史に’もしも’はない」。
    だけどついつい考えてしまう。そんな余韻も楽しめる一冊!

  • 41やっぱり中野先生は、読みやすくて楽しいし、引き込まれるなぁ。本当に運命の24時間で緊迫して、後半は本を持つ手に力が入ってしまいました。「楽観」って怖い。どんな場面でも怖い。私の最近で言ったらノーマークだった患者さんの急変。と、息子の突然の発熱。楽観していました。そのひとつの安易な考えが歴史を左右するんだなぁと。ルイにはイライラさせられる場面もあったけど、最後の遺言で、アントワネットへ書いた言葉には胸が締め付けられたし、アントワネットの王妃としての気高さや、王への思いもステキでした。・・・とにかく好き!

  • すごい迫力。追いつ追われつ、というほどのカーチェイスではないけれど、いつ捕まるんだろうと、読んでいる間中ドキドキしました。
    国王一家逃亡事件のことを最初に読んだのはマンガ「ベルサイユのばら」。なので失敗に終わるという結末は知っていたけれど、史実やあらすじを知っていてもハラハラドキドキするというところに、小説を書く価値や読む意味を感じます。
    世間的にはマリー・アントワネットが最悪のバカ王妃として認識されているらしいのと、藤本ひとみの本でフェルゼンをうすのろバカ扱いしたものを読んだことがあります。ところがこの本では、ルイ16世国王がバカだったということになっています。それがもう本当にそうに違いない、と思う程説得力ありました。
    きっと真実は全員がほどほどのバカだったのでしょう。

  • ふむ

  • とても面白かった。フランス革命時代、ルイ16世と王妃マリーアントワネットが命をかけて国境を超える逃亡を試みた長い一日が書かれたもの。緊張感がこちらに伝わってくるようだった。それにしてもルイ16世の信じられない楽観的な見方には驚く。たぶん彼の中で国民からすると自分は神という存在であると信じて疑わなかったのだろう。どんな状況になったとしても。ただ捕らえられ処刑されるまで、どれだけ、この逃亡での自分の行動を悔やんだろう。ここには書かれてなかったけど皇太子ルイ.シャルルがあまりにも可哀想過ぎる。

  • 吉川トリコ氏の「マリー・アントワネットの日記 Blue」を読んで、ヴァレンヌ逃亡についてもっと詳しく知りたくなった。
    その本に参考図書として中野京子氏の本書が載っていたので読むことにした。

    抜群に面白い!(実在した王家一族に対して、面白いと言っては申し訳ないが…)
    初読みの、中野京子氏の書き方がとてもわかりやすい。
    各地図が載っていて、大いに理解の一助となった。

    先述の「マリー・アントワネットの日記 Blue」のレビューで私は、ルイ16世を褒めたのだが、こうも自分が書き手によって安易に翻意する人間だったのかと驚くほど、本書ではルイ16世にイライラした。
    フェルゼンを突然解任したことは知っていて読んでいるのだが、それにしてもその場面では「はあああああ?」(多分フェルゼンも内心そう叫んでいたに違いない)と呆れた。
    イライラするどころか、最後までルイ16世の行動には「バカなの?」と心中で悪態をついてしまいながら読んでいた。

    もっと前にこの亡命失敗について読んだ時には、亡命されても困るからオーストリア側がリークしたのではないかとか、待っているはずの部隊が全く居なかったというのも裏切りだろうと思っていたが、全くそうではないことが本書でわかった。
    全てはルイ16世の危機感と決断力の欠如、優柔不断でまぬけなところが招いた、度重なる日程先延ばしと顔バレ行為と、最終的には積もり積もった5時間の大遅刻が原因だった。

    ハプスブルク家について知りたいと思い、次にマリーアントワネット系の本を何冊か読んで本書にたどり着いたわけだが、中野京子氏の「ハプスブルク家12の物語」「残酷な王と悲しみの王妃」も読んでみたくなった。

  • フランス国王ルイ16世とその王妃マリー・アントワネットと家族たちが、パリから国境近くのモンメディへの逃亡を企てた。全てをお膳立てしたのは、王妃の恋人であるスウェーデン貴族フェルゼン。計画はパリを出るまでは順調だった。国王がフェルゼンの同行を断るまでは…。
    逃亡計画段階から、目的地モンメディと目の鼻の先ヴァレンヌで反王党派に捉えられるまでを再現している。特に圧巻は、チュイルリー宮を脱出してヴェレンヌまでの24時間。
    優柔不断で楽観主義の国王と、やきもきしながら従うしかないマリー・アントワネット。捉えられてからも国王の威厳を守ろうとするアントワネットの気高さ。

    もし、この逃亡が成功していたら?逃亡を企てずにおとなしくパリにいたら?フランス革命は違った道を辿っていただろうか。
    ノン!
    歴史の流れは止められないのです。

  • フランス革命の中でパリに幽閉の身であった王一家のパリ脱出からヴァレンヌまでの逃亡を綴る物語。

    歴史の授業で出てくる一行だけの出来事ではなくて、帯で行われたというか過激度を増していった革命が感じられる作品。
    マリーアントワネットという女性に惹かれる周りの人物にも凄く焦点があたっていて、特にフェルゼンという人物についてもっと知りたいなとおもった。

  • それにつけてもルイ16世のダメさ加減よ。長男の代打でイヤイヤ王位についたからちょっと同情してたけど、そんなふっ飛ぶくらいのブチ壊し男。アントワネットとフェルゼンは階級主義だったかもしれないけど、それに共感したくなるくらいの革命軍の粗暴さ。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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