シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃 Fintech,IoT,Cloud Computing,AI、 アメリカで起きていること、これから日本で起こること

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022514127

作品紹介・あらすじ

【社会科学/社会科学総記】アルゴリズム革命とは、情報処理能力の飛躍的向上により、あらゆる人間活動が計測され機械によって代替される流れのこと。Fintech

感想・レビュー・書評

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  • ‪AI、IoT、Fintech…全てクラウドによるITリソースの無制限化をキーとして繋がる一連の動きだったのか。本質は自動化という分析にも大いに納得。紹介されているシリコンバレーの文化にも憧れる。その上で、ありがちな「だから日本企業はダメ」的な論調で終わらせていない点に好感を持った。‬

  • スタンフォード大学アジア太平洋研究所の櫛田健児氏による著作。タイトルにあるように、シリコンバレーとデジタル革命(本書ではアルゴリズム革命と呼んでいる)をテーマにしている。1から4章でAI、クラウドコンピューティング、IoT、フィンテックの4領域について紹介し、最後にシリコンバレーとの付き合い方についてレクチャーする。

    概して、既知の内容であった。デジタル革命の様相やシリコンバレーの生態系に関する書籍はすでに多く出版されており、そちらの方が詳しい。こちらは一冊でコンパクトにざっくりと理解したい人向けといったところか。

  • 面白いかというと、まあ面白い。作者の意見は少ないけど、題材は良いかな。
    アメリカ特有というよりもシリコンバレー特有の話。
    起業家たちが集まり、交流し、そして投資家たちがお金を供給する。成長速度こそが正義の社会。

    雇用は必ず失われる。それに伴ってまた新しい想像もできないような仕事が生まれる。
    クラウドによって計算資源を外部に任せる、これによっていきなりの急増にも耐えきれるようになる。
    成長することによる、サービスの低下を防ぐことができ、どんどん広げていくことに集中できる。
    また、つながっていることで、常に最新のサービスを提供できる。

    アイボはロボットが家庭に入り込むという革命的な製品だった。もったいない時期を過ごしているがチャンスを失ってはいけない。
    日本の企業の良くないところとしては、決定が遅いこと、事業部門が社内ベンチャーに厳しいこと

  • AI、クラウドなどの技術の実社会の応用例を知る入門編としては良いかも

  • クラウドコンピューティングによって、見かけ上、上限がなくなったITリソース。
    ものづくりに向けるとIoT、情報収集・情報分析に向けるとビッグデータ、ファイナンスに向けるとフィンテック、創薬・医療に向けるとバイオテック、(機械)学習に向けると人工知能。
    これが、アルゴリズム革命の本質とのこと。

    人手がたくさん必要な分野ほどアルゴリズムによって劇的にリプレイスされていく可能性が高い。人がボトルネックになっている産業が、これから変革していく。
    人間を排除し、自動化・効率化が進んでいく。

    アマゾン、グーグル、マイクロソフトが世界各地に設置している巨大なデータセンターと、進化し続けているプロセシングパワーによってほとんど無限に使えるITインフラが整った現代。一方で、社内ITシステムに束縛されているような大企業はどんどん遅れていく。クラウドコンピューティングが登場したのは数年前だし、新技術が浸透するのには時間がかかるが、遅れれば淘汰されていってしまうので、競争になった時(またはなる前)に時代についていかないといけない。

    あらゆるものが計測可能になるIoTとビッグデータ。細かくてもあらゆる挙動や状態を測定して数値化できるから、それを用いた改善ができる。「使い続けた人に聞かないとわからない、リリースしてしばらく使っても維持される性能の良さ」「ものによって、使い方によって違う安価な消耗品の消耗する速度」「ざっくり査定するしかなかった中古品の品質」でもなんでも、データでとれるものが増えることによる恩恵は、気づけてないことも含めてたくさんあるはず。

    フィンテックでは、金融機関が持っていたさまざまな業務を分解・特化型で、低コストかつ使いやすく提供している。
    企業での煩雑なお金の管理の簡単化、中小零細の資金のやり繰りの簡単化、担保が乏しくローンを借りづらい中小企業に貸し付けできるように、新たな評価軸(入出金データなどなどで貸し倒れリスクを測るなど)でリスクを測れるようになったり、個人レベルでの病気や自動車事故などのリスク評価による保険の変化など。暗号通貨やアップルペイでの送金・決済の進化も。

    効率化していく一方で、それを作るのは人。シリコンバレーは人材循環に支えられている。世界中から起業家やVCや、その他さまざまなスペシャリストが集まり、いろんな人材の組み合わせで事業を興し、発展させ、既存市場をリプレイスしていく。
    どんどん人が行き来する。大学と企業を行き来したりもする。そして負け組は去る。上手な失敗(失敗原因を筋道立てて合理的に説明できる)ができるなら評価されて次につながる。それが世界規模で起こっており、その中心地がシリコンバレー。
    日本はそこに遅れているとのこと(行き来できている人材の数が他国に比べてまだ圧倒的に少ない。行き来の"来"、つまり還ってくるまでを想定できず、行ってしまう損失にしか目がいってないから。)。

  • シリコンバレーでスタートアップがどのようにサービスを立ち上げるかが解説されている本。

    面白いのは著者が日本人で、日本の目線から解説されていること。
    こういった書籍はアメリカのことしか書かれないか、日本のことしか書かれないかの二択のような気がする。

    シリコンバレー式と日本式の良い点、悪い点を比較しているような内容は意外と珍しいと感じた。

  • クラウド・コンピューティング、IoTとビッグデータ、フィンテックといった、ここ数年のイノベーションを語るうえで頻繁に参照される動きを、「アルゴリズム革命」という視点で分かりやすく説明してくれている。

    アルゴリズム革命と名付けているゆえんは、アルゴリズムが人間の活動を計算可能な問題に置き換えて行き、それによって社会のしくみ、仕事の領域、ビジネスの基盤を変えていくからだ。

    そして、コンピューティングの技術が指数関数的に発展していることにより、計算能力やデータストレージの容量はもはや問題ではない。

    「アルゴリズム革命が進むにつれて、ハイブリッド化され、自動化される活動領域が広がっていく。そして、完全自動化に近づくほど生産性は上がるのだ。」(p.25)と筆者が述べているように、この動きは革命的な生産性の向上をもたらし、既存の業界リーダーをあっという間に窮地に立たせるほどのインパクトをもたらす。

    この動きは、フィンテックのように、貨幣や認証手続きの電子化が進みやすい業界において素早く広がっているが、それだけでなく自動車産業のようにこれまで産業のすそ野が広く、代替的な生産システムを構築するには参入障壁が高いと思われた業界に対しても影響を及ぼし始めている。

    テスラモーターズのように、車の概念を変えていくようなコンペティターの誕生も、筆者の言うアルゴリズム革命の代表的な成果なのであろう。

    筆者はシリコンバレーを長年活動の拠点にしているため、これらの取組みの芽が生まれた段階からグローバルに注目されるようになるまでの経過を見てきている。そのため、表面的な効果ではなく本質的な変化を伝えてくれている。

    このような視点は国内から見ているだけでは得られないのだろう。水素自動車の将来に対する懐疑的な視点など、グローバルに展開できるスケーラブルな取組みでなけれな生き残っていけないということを強く感じさせられた。

  • 外資系に勤めていたから英語交じりの文章には慣れてるが、一般の人には読みにくいだろう。もっとも最近の新規用語は日本語に訳しにくいし、変に日本語化するとわかりにくいとも言えるが、それでもカタカナが異常に多い

  • P235
    >シリコンバレーで進行中の「アルゴリズム革命」は、人々のペインポイントを見つけ、それを自動化することで乗り越えようと言う動きである。
    >「デザイン思考」も、エンドユーザーの生活に入り込み、そこに共感するところから本質的な課題を発見し、それに対するソリューションを提供しようという思考法だ。

  • これからシリコンバレーを考えるには良い入門書

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