- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022516732
感想・レビュー・書評
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物語の作り方には二つのアプローチがある。自分でストーリーをつくって、それを織り込んでいくアプローチ。自家製造モデル。
もう1つは、すでにあるストーリーの世界観をレバレッジするアプローチ。
見た目がほとんど同じなのにiPhoneが圧倒的に人気なのは、デザインがモノとしての形を意味するのではなく。そこに込められた物語であり、世界観であるということじゃないのでしょうか。
ブランドにまつわるありとあらゆるものの積み重ねがブランドを作り上げる。
既存顧客、競合他社のことだけを見ていると売上がどんどん落ちていく。自分たちのびじょわを定めて、そこに向かって未来を作っていかなければならない。過去だけを見ている会社に「意味をつくる」ことはできない。
「文明=役に立つ」、「文化=意味がある」、企業は「役に立つ」と「意味がある」の分かれ道に立っている。
言葉は過去を表すことしか出来ない。未来を見せるには映像化するしかない。
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2024/2/16読了
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「文明=役に立つ」→「文化=意味がある」
この広告のメッセージのコアは何だ
広告の究極の目的は、その人にとっての商品の意味合いが変わること
マズローの欲求5段階説の5段目「自己実現の欲求」のさらに上の段階として、「自己超越の欲求」が。
「コミュニティ発展欲求」→他者からの称賛を求めず理念を持って目的に没頭する状態であり、自分が所属するコミュニティ全体の発展を望む欲求 -
①メーカーで役立つものを作り続けてきたが競争優位を築き切れるのか疑問を感じてて、
②一方パーパス議論など概念的な議論が起こりつつある中、直感的に次のフェーズに行くためにとても重要な気がしてた、
■本書でその理由がよくわかりました。 -
水野さんは難しい言葉を使わずに平民にもわかる言葉で説明ができる。だから誰でも読みやすい。山口さんは横文字をそのまま使う。だからそういう事を知っている人に、ハイハイ、俺はわかってるよって気にさせてくれる。
二人がそれぞれ誰と仕事してるかがわかりやすく出ていると思った -
世の中の「問題」が希少になり、「正解の過剰化」が起きている。「役に立つ」から「意味がある」サービスが求められる時代に変わるなか、企業に必要なのが【世界観】。企業のブランディングをしている水野さんの『精度』への考え方など、プロのクリエイティブディレクターの仕事が垣間見れる本でした。
>オタク心を満たせるだけの徹底したこだわりでつくるという覚悟を、ブランド側は本気で持たないといけない。
>デザインは意味で固めないかぎり無限につくれちゃう
>「それでも、一応他の案も見てから選びたい」となることもあります。そういうとき僕は、「デザインを選ぶというのはとても難しいことなんです」と説明します。選ぶためには歴史も背景も、研究発表できるくらいに知っていなければいけないからです。「だから、とりあえずいくつかの案を出させよう、その中から好みや気分でなんとなく選ぼう、というのはやめましょう。まず、お話を聞かせてください。どこがひっかかるのか。もっとどうなっていたらいいと思うのか、意見を聞かせてください。別案をつくる場合は、それを反映した上でつくりたいんです」と伝えるようにしてい
欧米のエンブレムに企業にイニシャルを使わない、時代とともにアップデートする『007』の話など、山口さんとの対話からでてくる話が面白かったです。
うちの会社も世界観や文化歴史を考えず、なんとなく制作していたことを反省。まずは「ターゲットがどんな雑誌を読んでいるか」でターゲットを立体化させる話。実践してみようと思います。 -
ターゲットを策定する関連の話が「自分はできているか・明確に見えているか?」の点で面白かった。
・ベン図の真ん中がコアターゲットだが、ベン図の全体(円内)がターゲットになる
・ターゲットがどんな人か、映像で考える。どの雑誌を読むか?
・よくわかっていないときに、「わかる範囲」や自分に寄せてターゲット策定しない。インプットする
・思い切ってターゲットを絞る
(Audibleで読みました) -
「世界観を作る」「感性x知性の仕事術」については全面的に賛成。価値の正体を見極めることとか、セカンドペンギンを作ることとか、ちゃんとものを見ることとか、普段からそうだよなあと思っていることをきちんと説明してくれていて、とてもよくまとまっている一冊。難を言うならば、横文字が多すぎて、ちょっと嫌味に見えるところか。「まるでファンズワース邸のようなミニマルな装飾と空中に浮かんだグリッドで整理されたシンプルな面の構成に、タウトはポストモダンを考えるためのパースペクティブを得るんですね」こういうことを知った上で議論しろってことかなあ。
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役に立つものから、意味のあるものへと価値が移った現在において、意味・物語をどう作っていくかの歩みがわかる本。