英雄

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.07
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本棚登録 : 369
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022518583

作品紹介・あらすじ

「圧巻の読み応えにページをめくる手が止まらない。心震わす壮絶な人間ドラマがここにある!」(ブックジャーナリスト・内田剛)。父殺害の犯人を探し求める娘が、たどりついた驚愕の真実とは? 昭和・平成・令和を貫く傑作長編サスペンス!

感想・レビュー・書評

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  • 突然の刑事の来訪で、自分の本当の父が大企業の山藤ホールディングス創業者である南郷英雄だと知った英美。
    その英雄は、射殺されて犯人もまだ捕まってなかった。
    母とは、どうして知り合い何故名前も言わずに亡くなったのか。
    その実父は、どういう理由で殺害されたのか。
    遺産の件もあり、映美は実父のルーツを辿っていく。
    そこには、父の知られざる過去があり、驚愕の真実が隠されていた。
    やがて辿りついた先に…。

    父親の回想録と現在とを交互に展開してゆくが、どうにも英雄の人物像が明確に想像できずに中途半端なまま進んでしまった感があった。
    英美に関しても今ひとつ共感できず、盛り上がりに欠けた。


  • 『英雄』真保裕一氏
    ミステリー★★★★
    ビジネス ★★★★
    相続   ★★★★★

    【購読動機】
    帯「圧巻の読み応えにページをめくる手が止まらない。心震わす壮絶な人間ドラマがここにある! 昭和、平成、令和を書く傑作長編サスペンス」。
    購読動機は、これです。

    【テーマ】
    ★のとおり、ミステリー、ビジネスそして相続の3つの要素があります。読者はそれぞれの視点から楽しむことができるのではないでしょうか?
    私は、ビジネス的な側面から解釈しました。

    【主人公と物語】
    3名が物語の中核を担います。
    1) 上場企業社長。創業者。年齢80代
    2) 創業メンバーナンバー2。現在は退職。年齢80代。
    3) 会社員女性。30代手前。
    物語は1)が何者かに?殺害されて始まります。1年が経過しても犯人が見つかりません。殺人とともに別の問題が発生していました。それは、彼自身が所有する会社の株式や資産の相続です。
    前妻(すでに逝去)の子供、現在の妻の子供に相続権が発生します。
    しかし・・・認知していない子供の存在が明らかになりました。
    それが3)です。
    彼女は、相続する意思を固めるとともに、亡くなった父の履歴をたどります。あわせて、父を殺害した犯人に当たりをつけようとします。

    【読み終えて】
    ほかの読者のレビューを読みました。一つの小説をとっても「関心の幅」が違うことが新鮮です。私は、犯人が殺害した動機よりも、そこに至るまでの物語に興味を持ちました。
    (改めて認識できたこと)
    ・目的と手段。手段は目的達成のために存在するもの。
    ・手段を選択する折は、法律順守、リスク、メリットの3つの側面から検討すること。
    ・能力。わきまえること。謙虚に学ぶ・生きるが困難なことであるが重要。
    ・¥。何がおきるか?わからない。浪費、消費そして投資。自身と周囲の選択肢を増やすための投資とは何か?を考え、注ぐこと。

  • 英雄という一代で大会社への礎を築いた人物が、ある日、謎の凶弾に倒れ、その真犯人を追う過程で、遺産相続や後継者問題、隠し子騒動まで絡んで、事件の真相を追うにつれて、英雄の生い立ちを知ることとなり、生い立ちを知る過程で真犯人にたどり着くという展開なのですが、内容が濃いわりには展開がスムーズで早すぎて若干違和感を感じつつ、真犯人も、残りのページ数が少なくなり、この人物だなと想定できてしまい物足りなさを感じてしまいました。

  • 自分だけ実は父の子ではなく、他に本当の父親があるいる事を告げられた英美。その父とは大手ホールディングスの創始者・南郷英雄で、何者かに射殺された。
    コロナ禍で実家の居酒屋の資金繰りが上手くいかず、英美はその父の遺産配分の権利があると言われ、心が揺れた。 

    父・英雄のルーツを知るべく、英美は英雄の過去を調べ始める…

    英雄と言う人物のカリスマ性に驚きでした。
    戦後まもなくの時代からの這い上がり、そして経営手腕は勿論の事、人を見る目が確かで名前の通りでした。
     
    英雄を殺した犯人も意外で、やるせない事情で何とも言えませんでした。

    英雄から受け継いだ会社を守るべく前へ進む英美の今後に期待です。

  • 難しかった
    途中誰が言ってるセリフなのかわからなくなることがまちまち(°▽°)
    南郷家の子どもたちも血縁だったりそうでなかったりと混乱する
    英美が最初のイメージよりも聡明で行動力あるなと驚いた
    最後まで読んだけどもっとすごい話を想像期待してたからうーん…

  • 「英雄」というワードから導き出した無理矢理な結末に辿り着くためだけに延々とあまり面白くもなくて興味もひかない昔話をほじくりだして行く物語。
    そもそもの設定に無理がありすぎるし、周りが協力的すぎてとんとん拍子に過去の謎が明らかになりすぎるし、会社経営にまつわる経緯がつまらなさすぎるし、何よりも明らかになる犯行動機が短絡的で身勝手すぎてびっくりだった。
    もう「ホワイトアウト」の真保さんはいなくなってしまったのだろうか。悲しい。

  • 昭和期に一代で大企業を築き上げた社長と、その非嫡出子が射殺された社長である父親の来歴を調べる内に犯人に行き当たる、と言う二重のミステリー。
    真保さんなので充分に読ませてくれるのだが、母親と父の関係なども含めて全てがリアルに感じられない。「英雄」という題も違和感がある。

  • 平凡に暮らす英美のもとに、会ったこともない実の父親が射殺されたこと知らされる。実父が大企業の総帥と知った英美は父親の人生を知りたいと調べ始めるが…。父「ひでお」は「えいゆう」だったのか。次々に明らかになる事実に英美は…。『ホワイトアウト』でファンになった作者さんどこへ向かうのか?

  • 関係者に話を聞きながら過去に遡っていくストーリーは頭が混乱したが壮大で読み応えがあった。壮大だっただけに結末が狡いというか、正攻法での解決策を見出せなかった感が漂う。

  • 80歳になる大企業の創業者が射殺され、その非嫡出子と知った主人公が、父親の過去の人間関係を調べていくうちに、父親の秘密や成功までの道のりを知り犯人に近づいていく話。戦後の混乱の中での出来事や相続、時代とともに変わる企業のあり方など多くの要素を取り入れているが、人物描写や互いの関わり方の描写にリアリティが感じられず物語として情景が浮かばなかった。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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