焼け野の雉

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 125
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022518835

作品紹介・あらすじ

行方知れずとなった夫・羽吉と離縁し、飼鳥屋を営む女主人のおけい。九官鳥の月丸との二人暮らしでお店も順調なある日、おけいの暮らす一帯が大火に見舞われる。何とか逃げのび、「お救い小屋」で暮らし始めたおけいだが……。江戸の暮らしを生き生きと活写し、自分なりにとって幸せとは何かを問う傑作長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 小説トリッパー2018年冬号〜2021年秋号掲載のものに大幅な加筆修正を行い2023年5月朝日新聞出版から刊行。長編。
    大火にあってしまい、それでも鳥を助け、人を助け、わからなくなった人を探しといろいろなことがおこり…というそれなりの展開なのだが、どうも受け入れがたく、感情移入もできず、深みにかける通りいっぺんな展開にしか思えなかった。残念。そういえば、前作のことり屋おけい探鳥双紙もあまりふるわなかったような。比べてみようかな…。

  • ことりや のおけいさんシリーズ2
    行方不明の夫と再開できたけれど、切ない理由により離縁することになった前作
    おけいさんの小鳥への愛情が優しい
    『ここにいる鳥たちは、皆、大切な子で す。命を持っているんですもの』
    飛べぬように羽を切られた籠の鳥たちは、人を癒してくれる、だからこそ、小さな命を尊ぶことが大切なのだ。
    命を預かることをきちんと知ってほしい。
    カナリヤの番を返してきた夫婦の結末が切なく悲しい。

  • 江戸で飼鳥屋を営むヒロイン「おけい」が、大火に見舞われて焼け出され、多くの人々とともに「お救い小屋」(公的な避難所)で暮らすことになり……という話である。

    江戸の人情小説であり、3・11後の避難所と重ね合わせずにおれない災害小説でもある。また、殺人事件の謎を解くミステリーでもあり、鳥好きにはたまらないだろう動物小説でもある。
    さらに、ヒロイン・おけいと2人の男を巡る、“大人の恋愛小説”でもある。重層的な魅力を持つ長編だ。

  • 失敗した。前作読んでいない…
    やっぱり人間が一番コワイ。

  • 一途ってのか一本気ってのか、おけいさん、過ぎたるは猶及ばざるが如しと言います。小鳥たちへ愛情を注ぐ、生き物の命を等しく慈しむ、分かります。立派です。でもね、大火災に直面したあの場面で、あなたの周りには高齢者や幼い子、身体の不自由な人がいなくはなかったでしょう。小鳥と心中覚悟もなにも、いくらか弱い女の身であろうとも、お若いあなたは、手を差し伸べるべき「ヒト」がいらしたはずです。現にあなたが敬愛する永瀬さまは我が身を賭して「ヒト」の命を救われた。まして他人を巻き込んで小鳥の命を救うとは。私には理解できません。焼け野の雉も夜の鶴も梁の燕も、守るのは我が子であってほかの種の動物ではないんです。

  • すでにもう十分辛い境遇なのに、次々と困難が襲ってきて辛い。皆が極限状態の中で、人の醜さも優しさも色々出てくるけど、切羽詰ってるからこそ、優しくばかりも出来ない気持ちも分かる。それでも気付かぬうちに支えられてる、人の心の温かさを感じられる内容になってます。朴念仁との想いのやり取りも素敵。

  • 続編~!
    大火事で焼け出される飼鳥屋のおけい。なんとか無事には逃げ出すが・・・。

    話を聞かないおけいに若干いらっとするんだが、面白かったです。

  • 良かったです

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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