鬼譚草紙

  • 朝日新聞出版
3.63
  • (12)
  • (12)
  • (24)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 124
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022576569

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 内容と表紙。
    唸ります。

  • 挿絵と物語が合っていた。

    余白から琴や笙や鼓の音が聞こえるようで、心地のよい音楽を聴いているような読書体験。

    篁物語が一番心に残っているのだが、愛する腹違いの妹との睦事では喜びや愛しさがひしひしと伝わり、官能シーンではあるが目頭が熱くなった。
    後半の百鬼夜行では胸の高鳴りが最高潮に達し、時代物でこんなに心動いた本はないと改めて本作の読みやすさと挿絵の力に驚かされた。

    大変好みの一冊でした。

  • 鬼の話は好き。鬼と神と芸術が、とても近い話。

  •  巻頭「染殿の后 鬼のため嬈乱せらるる物語」は西村寿行『鬼』と同じ題材である。
     巻末「篁物語」は、京都で小野篁を祀った寺を見学したことがあるので、あの怖ろしげな木像と、作中の美青年が結びつかなくて弱った。

     陰陽師シリーズの挿し絵を天野喜孝に任せていたら、女性読者の瞳がハートになることだろうが、中高年男性読者が禹歩で二の足を踏んでいたかもしれない。

  • 「Hな譚(はなし)をやりたいねぇ」ということで実現した夢枕獏さんの物語と天野喜孝さんのイラスト。
    エロティックな描写と絵が多くて、電車の中で読んでると思わず後ろの人に覗かれてないか確認をしてしまうほど。
    でも愛にあふれてるのよねぇ。
    それに、今ではまれな百鬼夜行の体験談も、闇夜の多い平安の時代なら結構日常だったのかも……と思わせる。
    今みたいにお気軽に恋愛ができる世の中と違って、このときの恋愛は生霊になってしまったり鬼になってしまったり。
    いや、本来それが正当な恋愛だったのかも。
    今はストーカー=悪みたいな感じだけど、この時代には当たり前だったのかなぁ。
    ま、人の気持ちを法に当てはめることが難しいんだろうけど。
    「陰陽師」でメインを張っている(と私は思っている)博雅も出てきたり。
    久しぶりに、早く次を読みたいと思って一気に読んでしまった作品でした。

  • 半透明のセロファンで包んでいるような。
    仄かに香り立つエロスが素晴らしかった……。

    特に、性愛におぼれて堕落した高僧が、懸想していた妃を犯した話とか。

  • 天野 喜孝は良し。陰陽師シリーズといい、歴史ものは体に合わないというか単に教条趣味とか】うんちくのひけらかしばかりで面白くない。

  • 夢枕獏が書き、天野嘉孝が描く。戦慄のコラボレーション。鬼と人が交わり、人が鬼と化し、鬼が人を喰らう。妖艶で蠱惑的な平安物語絵巻。

  • 図書館で借りて後、買いました。
    絵と文章の世界観が大好き。何度も読みたくなる本。

  • 120422読了

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×