源氏の薫り (朝日選書 449)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022595492

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  • 「梅枝」は雅びを凝縮させたような華麗な掌編です。明石の姫君の入内間近な春の日に光源氏は六条院に住う女君や朝顔君に薫物づくりを依頼。届けられた薫物を蛍兵部卿と薫物合せで興じるのでした。尾崎氏は深い教養と流麗な語りで「梅枝」を極点とした薫り拡がる源氏ワールドへと誘います。薫りを切り口に知る「源氏物語」の世界。至福の一冊です。

  • 源氏物語の中で、目に見えないが「雅」の雰囲気を伝えるものとして、香を取り上げ、その美的感覚の深奥を叙述したもの。場面により異なるが、匂いを具体的に描写することで、物語の奥行きが増していることが読み取れる(生霊と化した六条御息所が芥子の香に悩まされることはあまりにも有名)。特に、真っ暗闇での男女のやり取りに、香りが重要なアクセントになっていることは興味深い。しかも、その香りが、登場人物の性格付けの役割を担う(例えば、薫君が仏のような性格を持つこと)となれば凄すぎる。このことがよくわかる本だ。

  • 源氏物語の中で度々出てくるお香の解説。

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著者プロフィール

一九二七年東京生まれ。歌人。作家。歌集『さるびあ街』(松田さえこ名義)で第四回日本歌人クラブ賞受賞、『源氏の恋文』(求龍堂)で第三二回日本エッセイストクラブ賞受賞、第六歌集『夕霧峠』(砂子屋書房)で迢空賞受賞、『新訳:源氏物語1~4』(小学館)等の活動により神奈川県文化賞受賞。その他、著作多数。近刊に『自伝的短歌論』(砂子屋書房)がある。また「合唱組曲・蔵王」他、多くの作詞を手がける。

「2019年 『神山三輪山歌集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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