椿の海の記

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022602367

感想・レビュー・書評

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  • たまげたばい。石牟礼道子さんの亡くならしたけん読んでみたら、小さかときの天草と水俣での暮らしば丁寧に書いとらした。生きとるもんのうれしかこつ、悲しかこつば熊本弁でせつせつと語らすけん、生々しか。ほんなこつ、ぽんたの話はせつなかばい。

  • ここには水俣病の原因となった水銀に侵される前の不知火の海と山の豊かな恵みと没落していきながらもその恵みに支えられながら生活する主人公とその家族の姿が味わい深い方言を交えながら語られている。「だまって存在しあっていることにくらべれば、言葉というものは、なんと不完全で、不自由な約束事だったろう。それは、心の中にむらがりおこって流れ去る想念にくらべれば、符牒にすらならなかった。」作者はそのような豊饒な生を生きているのだ。

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著者プロフィール

1927年、熊本県天草郡(現天草市)生まれ。
1969年、『苦海浄土―わが水俣病』(講談社)の刊行により注目される。
1973年、季刊誌「暗河」を渡辺京二、松浦豊敏らと創刊。マグサイサイ賞受賞。
1993年、『十六夜橋』(径書房)で紫式部賞受賞。
1996年、第一回水俣・東京展で、緒方正人が回航した打瀬船日月丸を舞台とした「出魂儀」が感動を呼んだ。
2001年、朝日賞受賞。2003年、『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』(石風社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2014年、『石牟礼道子全集』全十七巻・別巻一(藤原書店)が完結。2018年二月、死去。

「2023年 『新装版 ヤポネシアの海辺から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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