バルト海のほとりにて: 武官の妻の大東亜戦争 (朝日文庫 お 15-1)
- 朝日新聞出版 (1992年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022607232
作品紹介・あらすじ
陸軍武官としてまずラトビヤへ、後に第二次大戦下のスウェーデンに赴任した小野寺信は、戦争終結への悲願を胸に真剣な情報活動を展開した。夫とともにバルト海のほとりに七年、日本に残した子供たちを気づかいながらも暗号電報作業を担った著者が、和平工作や欧州引き揚げの真相を語る。
感想・レビュー・書評
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いつの時代にも優秀な方がいて
それ故に省みられない。
結実しなかった蒋介石や
リッベントロップ等との和平工作など
戦中の情報戦秘話が盛り沢山。
武官の妻が暗号電文の作成発信の役目を
務めるとは初めて知った。
それ故に情報は詳細かつ具体的。
北欧での当時の暮らしぶり、
魚食含めた食事、
終戦直後の引揚げの様子などの記述も興味深い。
この方の娘であり外交官夫人でもあった
大鷹節子さんの書くチェコ関連本から知った書籍、
こちらも読み応えある良書が多い。
<その他の書籍紹介>
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ムーミンの訳者でもあるという著者とのことですが、第二次大戦時には戻り元陸軍武官の妻としてスエーデンに駐在していた時期があり、その頃の貴重な話を詳しく綴っている。暗号電報は妻の仕事だったとかすごい。
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これ読んでバルト三国行ってみよかなと考えたが、結局行かず
船の値段が高かった -
面白かった!
知られざる日本政府の裏の姿、武官としての諜報活動や社交の場などが描かれていて、本当に新鮮だった。
日本政府がいかに馬鹿だったか、痛感したよね -
日本にスウェーデンの児童小説をたくさん翻訳して紹介している小野寺百合子さんが、どのようにしてスウェーデンとの関係が出来たのか、当時(昭和10年代)に外国に赴任するご主人に付き添って赴任地に行くことの大変さ、武官として外国に赴任していたご主人の仕事の様子など、女性の立場からの実話が語られています。興味深かったですね。【2006年11月20日読了】