バルト海のほとりにて: 武官の妻の大東亜戦争 (朝日文庫 お 15-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022607232

作品紹介・あらすじ

陸軍武官としてまずラトビヤへ、後に第二次大戦下のスウェーデンに赴任した小野寺信は、戦争終結への悲願を胸に真剣な情報活動を展開した。夫とともにバルト海のほとりに七年、日本に残した子供たちを気づかいながらも暗号電報作業を担った著者が、和平工作や欧州引き揚げの真相を語る。

感想・レビュー・書評

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  • いつの時代にも優秀な方がいて
    それ故に省みられない。

    結実しなかった蒋介石や
    リッベントロップ等との和平工作など
    戦中の情報戦秘話が盛り沢山。

    武官の妻が暗号電文の作成発信の役目を
    務めるとは初めて知った。
    それ故に情報は詳細かつ具体的。

    北欧での当時の暮らしぶり、
    魚食含めた食事、
    終戦直後の引揚げの様子などの記述も興味深い。

    この方の娘であり外交官夫人でもあった
    大鷹節子さんの書くチェコ関連本から知った書籍、
    こちらも読み応えある良書が多い。

    <その他の書籍紹介>
    https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/

  • ムーミンの訳者でもあるという著者とのことですが、第二次大戦時には戻り元陸軍武官の妻としてスエーデンに駐在していた時期があり、その頃の貴重な話を詳しく綴っている。暗号電報は妻の仕事だったとかすごい。

  • これ読んでバルト三国行ってみよかなと考えたが、結局行かず
    船の値段が高かった

  • 面白かった!
    知られざる日本政府の裏の姿、武官としての諜報活動や社交の場などが描かれていて、本当に新鮮だった。
    日本政府がいかに馬鹿だったか、痛感したよね

  • 第二次世界大戦中のスウェーデンで、駐在陸軍武官として諜報活動に従事した小野寺信少将の伝記(1992/09/01出版)。

    本書は、小野寺信少将の夫人によって書かれたもので、当時の中立国スウェーデンにおける日本及び各国の諜報活動について、その一角を知ることが出来ます。 日本の諜報活動は、主に亡命ポーランド政府からリークされた情報に頼っているので、イギリス・ドイツ・ソ連・アメリカ等に比べれば活動は貧弱ですが、それなりの結果は示していたようです。

    時系列的に本文がズレているところがあるので、多少読みずらくはありますが、それなりに良い史料であると思います。

  • 日本にスウェーデンの児童小説をたくさん翻訳して紹介している小野寺百合子さんが、どのようにしてスウェーデンとの関係が出来たのか、当時(昭和10年代)に外国に赴任するご主人に付き添って赴任地に行くことの大変さ、武官として外国に赴任していたご主人の仕事の様子など、女性の立場からの実話が語られています。興味深かったですね。【2006年11月20日読了】

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著者プロフィール

翻訳家。1906年、東京生まれ。東京女子高等師範学校附属高等女学校専攻科卒。公使館付武官の夫の赴任にともない、ラトビア、スウェーデンに長期滞在する。戦後はスウェーデン文化普及に努め、1981年、スウェーデン国王から勲一等北極星女性勲章を受章。翻訳は他に『ムーミンパパ海へいく』『エーミールと60ぴきのざりがに』(共に講談社刊)など、著書に『バルト海のほとりにて』(共同通信社刊)がある。

「2020年 『ムーミン全集[新版]7 ムーミンパパ海へいく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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