- Amazon.co.jp ・本 (620ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022618627
感想・レビュー・書評
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苦海浄土の引用泣いてしまう同情するには眩しくてでもやっぱり怒りと悲しみとたまらなさから泣いてしまう
四大公害の名前と場所を社会の試験のために覚えさせられるけどそれってある意味では歴史の中に生きていた人間の存在や息づかいが消えて見えなくなる存在したということを知るだけでは足りないことって多くて公害なら阿賀に生きるもそうだしもっと実感のこもったメディアとして残されたものに触れないと
避けようのない結果として自分が今ここにいる
そしてかつて他人がいて今も他人がいる
自分とは決定的にわかたれた存在として理解することのできない世界をもつ
自分の世界のことばと他人の世界のことばは違う
世界は固有の誰かのことばとして詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「あの日」から10年。鎮魂の1日に読んだ。
あれから、自分からも、他人からも発せられることばについて考えている。 -
「論」より「引用」というべきでしょうか。毎度のことなのですが、つくづく、高橋源一郎のセンスには感心させられます。
ただ、最後の引用の文章が、ぼくには読めない文章だったことに、これまた、つくづく、驚いきました。いったい、どうしたことなのでしょう。この「引用」の文章は、上滑りしていませんか、高橋さん?
それにしても、古びていない。そこが肝。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202001220000/ -
「3.11」によってことばが変わってしまったと考える著者が、そうした経験のなかから生まれてくることばの姿を見定めようと試みた本です。
雑誌『小説トリッパー』で「ぼくらの文章教室」という連載を担当していた著者は、3.11によって文章が変わってしまったといいます。東日本大震災と、それにともなう原発事故に際会したことで、語るべきことばをうしない立ち尽くすほかないという事態に投げ込まれてしまったわれわれにとって必要なのは、以前とおなじようなことばを垂れ流すのではありません。むしろ、ことばがうしなわれた場所に立ちとどまり、どうにかして語るべきことばをさがし求めようとする悪戦苦闘のなかから生まれてくることばがいったいなんであるのかという問いに向きあいつづけることであるはずだと著者は考えます。
本書では、「非常時」のなかから生まれてきたことばとして、ジャン・ジュネの「シャティーラの四時間」、石牟礼道子の『苦海浄土』、川上弘美の「神様(2011)」、ナオミ・クラインの「ウォール街を占拠せよ」などをかなり長く引用し、そうした状況のなかでことばを語り出すことの意味について問いかけようとしています。
これは、「アウシュヴィッツの後で詩を書くことは野蛮である」といったアドルノが直面していた問題と同種の問題だということもできるかもしれません。もちろん、このような問いには、わかりやすい答えは存在しません。もし、よくわかってしまうような答えがあたえられたのだとすれば、それは「非常時」が忘却され、そのときの出来事が既存のことばのうちに回収されてしまったときでしょう。それゆえ著者がとるべき態度は、あえて答えの出ない場所に立ちとどまりつつ、ぎこちなくもことばを紡ぎ出そうとプロセスをそのまま提示すること以外にはありえないのですが、それにしては本書の「問いかけ」はすこしばかりわかりやすすぎたのではないかといういらぬ危惧をおぼえてしまいます。 -
髙橋源一郎らしくない明晰さに欠けることばの羅列は、本文で述べられている通り意図されたものなのだろう。一歩一歩、絞り出すように呟くように書かれているように感じた。しかし、「あの日」に漢字は違和感は徐々に忘れ去られたようにさえ感じられる。どのようなことばが「あの日」の、あの雰囲気を後世に伝えることができるのだろうか。
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震災後にいままで目を背けていた世界の歪みを意識せざるをえなかった、という旨以外は全くピンとこない文の集まりだった。
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3.11以降、ことばはどう変わったのか。
様々な文章からことばを引いてきて、そこから見える世界について考えよう、という本。
冒頭、非常時だから咄嗟の「ことば」が出てこなかったという筆者。これほどの人から「ことば」が出てこない、あるいは分かっていたけれど考えて来なかったことがあるんだな、と痛感。
今尚、空白に向かって言葉を吐き出し続けているように思える人さえいる、原発事故。
結局あれは何だったのか、本当のところを明らかにされないから、悲しいかな私たちはそれを安心と受け止めているような所がある。
遠い国の世にも不思議なおはなし、なんかでは決してないのにね。
川上弘美の「神様」と「神様2011」の違いなんかも挙げていて、何かの時に再読するかもなー。
レビューにメモしておこう。
とても読みやすく、伝わることを第一に?考えられたのかな、という一冊なので、たくさんの人に手に取って欲しいと思う。