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- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022630933
感想・レビュー・書評
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ベトナム戦争、南北双方の軍に同行した唯一の報道カメラマン、写真家の回想。
南北が17度線で分断され米ソ対立の代理戦争の様相を呈したベトナム戦争。アメリカの支援する南ベトナムVS北ベトナムと反南ベトナム政府軍(ベトコン)の戦いとなる。
筆者はもともとベトナム戦争に関心はなく、最終目的地をアメリカにした無銭旅行を企て第一歩の香港、働いていた映像プロダクションからニュースカメラマンとしてサイゴン出張を命じられたことに始まるという。
筆者の見た戦場の実相。それは被害を受ける多くのベトナムの民衆。米軍の近代兵器に焼き尽くされる農村。南ベトナム軍に同行しながら民心を得られない南ベトナムの敗北が予感できたという。
個々の兵士の印象は南北関係なくすこぶる良い。個人では良好な関係が作れても集団となると敵対し合う。
地雷、クラスター爆弾など殺傷を目的とした兵器、開発した人々の発想がおそろしい。誤爆により負傷する子供たち。
筆者が沖縄出身ということもあり、戦場となり蹂躙される民衆の視点から撮影された多くの写真が印象的。
本書は戦後から現在まで、今も続くベトナム人の友人や被写体となった人々との再開や交流を描いている所がすこぶる良い。
悲惨な戦争を経ても不死鳥のように蘇る国、その民。戦争の残虐さと人々の生活力の力強さが印象に残る一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020.05.06 図書館
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