銀色のフィレンツェ: メディチ家殺人事件 (朝日文庫 し 9-2)
- 朝日新聞出版 (1993年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022640253
感想・レビュー・書評
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「緋色のヴェネツィア」に続く三部作の2作目
「銀色のフィレンツェ」。
絶対君主制の国家に変貌したフィレンツェの経過の物語。
コジモで始まった250年続くメディチ家確立の影には、同じ一族のロレンツィーノがいた。
コジモは、冷徹だわ -
三部作一作目よりかなり楽しめた。いかにも悪者役のアレッサンドロ公爵が殺されるという勧善懲悪的な筋書きが読みやすかったのだけど、結局フィレンツェは共和国にも貴族制にも戻らず、冴えない立憲君主国に留まるというのは、歴史の皮肉というのか、大きな流れには逆らえないというのか。
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三部作の二作目。
公務から離れて訪れたフィレンツェで国の政体を揺るがす事件に巻き込まれるマルコ。
遊女オリンピアとも再会し、フィレンツェでは様々な魅力的な人物とも出会います。歴史上のきらびやかな登場人物の息遣いも聞こえそうな文章はさすがでした。
上流階級の持つ品の良さと生来の人柄の良さに明晰な頭脳を持つ主人公マルコは嫌なところが一つも無く、本当に魅力的です。完璧ですよね、彼は。 -
三部作の第二巻。
ヴェネツィアでの主人公マルコや遊女オリンピアが再登場し活躍するものの、塩野さんが仰る通り作品の主人公は都市とその歴史です。
今回もマルコたちの努力(?)を他所に、物語は意外かつ史実通りの展開へ。
本当に事実は小説より奇なりで、イタリアの歴史にくぎ付けです。
しかも有名な人物や芸術が惜しげもなく登場するので、来月行くイタリア旅行が俄然楽しみになってきました。
旅行前の予習読書として、最高の作品です。引き続き、ローマに行きます。
面白い!! -
ルネサンス歴史絵巻 第2部
銀色のフィレンツェ―メディチ家殺人事件 (朝日文芸文庫)
内容 :
若きヴェネツィア貴族マルコ・ダンドロは花の都フィレンツェを訪れたが、かつての共和国は今や大国を後楯にする公爵の独裁下にあった。
その専制君主をめぐるメディチ家の陰謀に巻き込まれるマルコと遊女オリンピア…。
16世紀前半、翳りゆくルネサンス・イタリアを描く絢爛たる歴史絵巻第二部。
著者 : 塩野 七生
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2作目。マルコ君旅に出るの巻。お金持ちで風采も性格も頭も良いマルコ 君。見ていてほんと気持ち良いね。この時期のフィレンツェ、メディチ家のことが少しつながった。
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緋色のヴェネツィアの続編。フィレンツェが、絶対君主制へ完全に移行してしまう経緯を描く。マルコがアルヴィーゼを思い出す場面にしんみりしたり。ヴェットーリがいい味出してる。マルコとヴェットーリの、政治体制に対する問答は、今の日本にも通じるものがあると思った。首飾りって一角獣を抱く貴婦人の絵のことなんかな。
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第三部に続くんだけどヨカッタ、良かったよフィレンツェ。斜陽にさしかかったかつての花の大都市が、スペインから来たバカ殿に手を焼きながら、誇り高い共和政から専制君主制に完全に移行してしまった時代の話。西洋美術に知識があれば、さらに楽しめるよ。