魂込め (朝日文庫 め 2-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643018

感想・レビュー・書評

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  • 基本的に二項対立が構造としてあって、抑圧/非抑圧が常に意識されている。抑圧を強いる側に対する怒りがありつつ、その抑圧が有無を言わせずに受け継がれていくことまで視野に捉えている。(再読すれば変わるのかもしれないけれど)。その点で、焦点人物が若い世代を救えないという表題作は象徴的だと思った。日本における植民地主義とポストコロニアルを考える上で重要な一作だと思う(その辺りももっと勉強したい)。

  • 芥川賞
    魂込め(まぶいぐみ)◆ブラジルおじいの酒◆赤い椰子の葉◆軍鶏(タウチー)◆面影と連れて(うむかじとうちりてい)◆内海

    著者:目取真俊(1960-、沖縄県今帰仁村、小説家)

  • 何せ台詞がサッパリわからん!ルビで余計混乱する〜w
    ま、地の文は標準語だったので、セリフが少ない作風で良かったー。
    沖縄独特の小道具やガジェット満載で、先ずはそこに目を奪われるが、通して読み終わると、底に渦巻く怒りみたいなものが滲み出て来る。コレが「沖縄」か。
    ゆうても表題作、幾ら魂抜けて腑抜けてても、ヤドカリに口ん中へ寄生されるのは勘弁してください〜。アゴをこじ開けて引きずり出されるのも嫌〜!読んでてイテテっ〜。

  • 高校一年時の国語の教科書。

  • 表題作を含む6本を収録した短編小説集。ちょっとしたきっかけで手に取った本なのですが、どの作品もそれぞれかみしめながら読まされました。本土/沖縄、この世/あの世、大人(の男)/老人・子ども、男性/女性、などなど、さまざまな対立軸が示しつつ、前者と後者のあわいに生きる人たちの姿を描きながら、前者の人々の「まなざし」(の権力性)を撃つ作品……と読みました。自分自身、先の対立図式の中では前者の側に属しているという自己意識があるので、自分の身が割かれるような感覚を、どこかに覚えます。目取真氏のほかの作品も読んでみたい、と思いました。(20070910)

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著者プロフィール

1960年、沖縄県今帰仁村生まれ。琉球大学法文学部卒。
1983年「魚群記」で第11回琉球新報短編小説賞受賞。1986年「平和通りと名付けられた街を歩いて」で第12回新沖縄文学賞受賞。1997年「水滴」で第117回芥川賞受賞。2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で第4回木山捷平文学賞、第26回川端康成文学賞受賞。
著書:(小説)『目取真俊短篇小説選集』全3巻〔第1巻『魚群記』、第2巻『赤い椰子の葉』、第3巻『面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ)』〕、『眼の奥の森』、『虹の鳥』、『平和通りと名付けられた街を歩いて』(以上、影書房)、『風音』(リトルモア)、『群蝶の木』、『魂込め』(以上、朝日新聞社)、『水滴』(文藝春秋)ほか。
(評論集)『ヤンバルの深き森と海より』(影書房)、『沖縄「戦後」ゼロ年』(日本放送出版協会)、『沖縄/地を読む 時を見る』、『沖縄/草の声・根の意志』(以上、世織書房)ほか。
(共著)『沖縄と国家』(角川新書、辺見庸との共著)ほか。
ブログ「海鳴りの島から」:http://blog.goo.ne.jp/awamori777

「2023年 『魂魄の道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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