ネクロポリス 下 (朝日文庫 お 60-2)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 288
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644701

感想・レビュー・書評

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  • 下巻も様々な事件が起こり、謎は深まるばかり。そして、終盤に一気に解決していくが、恩田陸ワールド全開で、これぞファンタジーと言った結末だった。久々のファンタジーの世界観に、ハリーポッターを読んだ時の衝撃を思い出した。

  • どことなく雰囲気の似た北海道が舞台の「麦の海に沈む果実」よりも、はるかに日本を感じさせてくれた作品だったと思います。

    英国文化に溶け込んだ日本文化の設定の数々もとても興味深かったですが、恩田さんならではのものの見方についてもハッとさせられる表現が幾つもありました。中でも印象に残ったのは、
    『昼間のうち、植物は光合成をしているから、呼吸の音は聞こえない。夜になると…呼吸をする。彼らの呼吸の音が聞こえるから、自分の呼吸にも敏感になる。』
    という箇所です。都会ではあまり感じられないかもしれませんが、田舎の夜など確かにただの静謐な空間とは質の違う静けさを感じるように思います。周囲に繁茂する植物に命を感じる空間、時間。あまり考え過ぎると夜に外に出られなくなりそう怖いですが、とても面白い見方だと思いました。

    また、アナザー・ヒルのヒガンは、上巻から勢いを緩めることなく下巻になっても世界観がどんどん膨らんでいきました。恩田さんがあとがきで書いていらっしゃる通り『書いても書いても終わらない』という通りの出し惜しみなく展開される不思議世界の贅沢さ。この世界にもっともっと浸っていたいと感じさせてくれました。
    残りのページ数との関係で最後はあっという間に幕切れになるであろうことが予想されだすと少し焦りましたが、最後にはアドベンチャーっぽい展開まで登場するなど最後まで飽きさせない展開。これだけ恩田さんの世界にどっぷりと浸らせていただければ十分満足です。

    素晴らしいミステリーファンタジーの長編、今は少しお腹いっぱいですが、またいつかアナザー・ヒルを再訪したいと思います。

  • 人間、お客さん、ラインマンと登場人物の個性があって面白い。
    しかもお客さんとラインマンに至っては謎が多すぎて読めば読むほど実際にそこにいるような感覚になる!

  • いろいろと暴露される下巻。緊迫感が続いたから少し拍子抜けの結末だったけど、満足。どの登場人物もアクセントになっていて最後まで充実。

  • どうしても続きが気になり夜通し読んでしまった。
    残り5分の1を切ってもまだ何も解決していなかったので不安になったが、結局肩透かしをくらったような終わり方のように感じた。ハッピーエンドだけれど、何だかすっきりしない気持ちだ。

  • “お彼岸”をテーマにしたミステリーに、
    ホラーやらファンタジー、コメディが
    ゴッタ煮状態で物語は展開し、破綻し
    そうなところでエンディングはSFに
    なりキレイにオチをつけるのはサスガ

    なんとなく『世界の終わりとハードボイルド
    ワンダーランド』の雰囲気を思い出した
    あっちは世界の終わりだけど、こっちは……

  • 上下巻、面白かったです。「お客さん」が自分は「お客さん」だとわかってるのも凄い。「ほとけさま」なんだなぁ。。
    アナザー・ヒル行ってみたい。提灯行列やりたいな、ピンクの御用提灯持ってデモ楽しそう。「提灯行列」「百物語」の魔改造が好きです。百物語は真逆になってて大変。。下巻の風も凄かった…ちょっと見てみたいけれど。
    まさかのケント叔父さんが上巻から居る彼だったのびっくり。でもサマンサもラインマンのお姉さんも亡くなってなくて良かった。。
    全時代のアナザー・ヒルは重なってしまったし、大鳥居はこれから修復するんだろうし、血塗れジャックは今後こちらの世界に本当に来られないのか…課題は山積みですが、これからもヒガンは続けられそうで良かったです。
    血塗れジャックの被害者もやってくるアナザー・ヒル、全世界の未解決殺人事件の犯人は震えて待てという感じでしたのでこれじゃ警察の介入断固阻止になるのもわかります。「わたしを殺したのはあいつです」がわかればかなりの捜査の助けになる。でも血塗れジャックの被害者たちは犯人の顔を覚えてなくて申し訳無さそうにしてて気の毒。。

    鳥居、ってそんな意味なの!?と思いました。八咫烏は邪悪なものではないので「ネクロポリス」オリジナル設定なのだろうけど興味深いです。クトゥルフみたいなものかな。神道、キリスト教、仏教、ケルト神話、ギリシャ神話全部乗せで、詳しくはないけど楽しいです。
    あれだ…10月31日がハロウィンで11月1日から新年ということに早く気付けばここがなんなのか少しわかりそうなもんだ、と思ってわたしもジュンと変わらないぼさっとさでした。

  • 青森県のイタコを思い出す。
    色々な問題が一気にカタがつくが、上下巻延々と続くので
    退屈してしまった。

    イタコも絶滅の危機にあるため、本作品を作ったのかなと思った。事件・事故で人を亡くすと、信じがたい時間を過ごす。夢を見ているような、喪失感。
    そのような人向けの作品なのかな?

  • 暗めの表紙にほの暗い想像ばかり募らせていたので、最後のオチは想定外だった。続きが気になって前後編ともあっという間に読んでしまった。
    ジミー!

  • 恩田陸のなかでも好きで何回も読んでしまう
    ヒガン、いってみたい〜!楽し〜!
    ファンタジー感とミステリのバランスが最高
    出てくる女性たちも魅力的

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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