- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022645654
作品紹介・あらすじ
梓の飼い犬・フサとなった房恵だが、彼女の実家は決定的に崩壊していた。性的虐待を続ける兄、息子ばかり偏愛する母親。一方、まるで梓が書いているかのような、兄との性的関係を告白するブログが公開され…さまよえる犬の魂は何処に行くのか。
感想・レビュー・書評
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中盤かなりドロドロするんですが、最終的には、これはハッピーエンドだと思いました。人間であり血族でありながら憎みあっている梓の家族と違って、犬と人間、犬と悪魔、悪魔と人間の間には、それぞれ絆が生まれているんですよね。個人的には感動的なラストでした。
余談ですがこの主人公の名前が「八束房絵」飼い主の女性が「玉石梓」…八犬伝マニヤなら一目瞭然の「八房」と「玉梓」のパロディですね。 -
犬が好きすぎて犬に変わっちゃう女性が主人公の話。動物になるとか子供向けの作品ならよくあることかもしれないけど、大人向けの小説なので、シリアスな描写と魔法ぽい話がミックスされているストーリーラインが斬新だった
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後半に連れて物語がいっきに加速されてて時間も忘れて読んでしまった。犬の目線から見る家族間のドロドロした表現は興味深かった。人間じゃないので、言葉では梓を励ますことのできないもどかしさ等が本当に伝わってくる。
ただ、朱尾の正体やブログのくだりに不透明が残る… -
自分が犬なんじゃないかと思う、という発想はなんだか斬新な気がした。私も犬が好きだけど、飼い主に献身的に尽くしたいっていう感覚はないので。笑
実際に主人公が犬になってからは飼い主である梓の話が強烈でそっちばかりが印象に残ったけど、自分の飼ってる犬との関係を見直すきっかけになった本だと思う。 -
後半物語が加速し、急に収束する。
後味がいいのか悪いのか、読み手によって変わるかも。
人生はいつだって素直じゃないから、
だからこれはハッピーエンドなんだ、きっと。 -
念願の梓の飼い犬となったフサだが、梓は、肉体関係を強要する兄・彬と、兄にばかり目をかける母に悩まされる日々を送っていた。そんな中、まるで梓が書いたかのような、彬との性的関係を告白するブログを見つけてしまう。家族の呪縛を抜け出したくて、けれど抜け出せない梓と彼女を慕うフサに訪れる結末は……
ファンタジー要素はあれどなんか久々にどろどろした現代小説読んだな……って感じ。振り返ってみると設定はユニークだけど別にそこまで面白いってわけでもなかったかな……八犬伝要素も名前だけでほぼないしね。途中何で私これ読んでるんだろう……って疑問に思ってたりもしたので、☆3くらいで。彬もそうなんだけど梓の母親も読んでてつらかった。いや彬がなによりつらかった。やっぱ近親相姦は地雷だしそれがレイプに近いものならもっと地雷だわ、と再認識したのであった。終わりもああだし……。フサもしかしたらタブーやぶるんじゃないかなー、破るために存在するんだもんなーって思ってたらそれもなくて、ちょっと残念だった。でも性的な悦びの根源は単純なふれあいにあるっていうの良かったです。 -
ストーリーに起伏があるので面白かったです。しかし、登場人物の精神に共感も理解もできませんでした。ちなみに私は犬好きです。