- Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022646644
作品紹介・あらすじ
東大文学部人気講義を載録。9つの英語作品をどう訳すか、著者は単語一つまで学生と討論し、講義を進める。翻訳という知的作業の追体験から出会う、英語と日本語の特性や違い、文体の意味、小説の魅力とは。ゲストに村上春樹氏、J・ルービン氏も登場。
感想・レビュー・書評
-
2004年10月から2005年1月にかけて東大文学部で行なった授業「西洋近代語学近代文学演習第1部 翻訳演習」の内容をまとめる。スチュアート・ダイベックなどを取り上げ、村上春樹を迎えた特別講座も収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40184221詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村上春樹氏との教室での対話も併せて収録されている。氏の翻訳に対する向き合い部分だけでも、読む価値は十分あった。
「自分も翻訳してみたい」と考えている人にオススメ -
「ここはこうすると〜だからこうしたほうがいい」のようなニュアンスの話が多いが、英語が得意ではない自分にはよく分からなかった。英語ができる人が読めばもっと楽しめるのだろうか。
-
翻訳の授業受けた時に知ってから、ちょいちょい読み返してるけど面白い。授業はあんまり出てなかったけど。
-
しっかり勉強させてもらいました!
-
以前単行本で買った時は読み切れる気がしなかった。課題の英文が全然わからなかったのだ。つい先月ブックオフで手に取って読み始めたら、いいペースで読めることがわかって購入、今日読了できた。本を読むにはタイミングはありそうだ、ということと、いくつになっても英語の能力というのは伸びる(以前読めなかったものがそれほど大変でなく読めたわけで)ということが改めてわかった気がする。
-
「教える・教えられる」という関係でなく、「一緒にいい訳文に磨き上げていく」という基本姿勢は終始徹底されていて、翻訳という作業自体を柴田さんが心から楽しんでいるのが伝わってきます。
読点の位置ひとつ、語尾のちょっとした違いでも、文章は表情を変える。
言葉ってこんなに深く読み込めるものか、と教えられました。 -
翻訳家の柴田元幸氏が、母校である東大で行った「西洋近代語学近代文学演習第1部 翻訳演習」という授業の内容を文章化したもの。
毎回、著名な作家の作品をテキストとして学生たちに翻訳を行わせ、柴田氏が添削をしていくといった内容。添削、というよりも学生たちと一緒により良い翻訳にしていく過程を追ったドキュメント的な内容と書いた方が近いかも知れない。
途中、村上春樹氏やジェイ・ルービン氏が授業にゲストで呼ばれたりしており、ついつい参加してみたくなってしまう。取り上げられているテキストも、スチュアート・ダイベック、バリー・ユアグロー、レイモンド・カーヴァ、イタロ・カルヴィーノ、村上春樹といった僕の好きな作家ばかりであり、とどめとして僕がもっとも好きな作家であるリチャード・ブローティガンまで取り上げている。
読み進めていくと、翻訳の仕方、テクニック、こうあるべき形、やってはいけない手法、など色々と勉強になる。別に翻訳家を目指している訳ではないが、読んでいると翻訳以外にも活かせそうな知識もあり面白い。
翻訳に最も重要なのは何だろう。英語の知識はもちろんだけれど、やはり一番必要なのは、母国語の知識、日本人で言えば「日本語」の知識が最も必要とされるのだな、ということが改めて思い知らされる。いくら英語の実力があろうと(たとえば英検1級を持っていたり、TOEICで990点を取ったり)、それを日本語に置き換える力、つまり日本語の語彙や言い回し、状況によって使い分けるテクニックなどがなければ翻訳は出来ない。そんなことを再認識させられた。 -
学生との議論の過程を一緒に追えるのがとても楽しかった。
何度も出てきていたけれども
・原文と同じ語順で訳す
・原文の語調と似たような言葉を探す
のが大事なのだなぁというのがよくわかった。
それにしても,翻訳が趣味というのはすごいな村上春樹氏…。 -
収録されている授業と同じ頃、
わたしも同じような授業を受けていた。
懐かしいなあ。
翻訳だけでなく、
文学と向き合う上で大切なことは
柔軟であること、だと思った。