- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022647689
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】看取る人、逝く人。死を目前にした人は、何を訴えるのか。365日人が亡くなる現場に身を置く医師が臨床の言葉を詩人に送り、詩人は詩と散文で応える、優れたコラボレーション。死についての深い考察のある、心震える往復書簡。
感想・レビュー・書評
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ホスピス「野の花診療所」で人の死と向き合う医師の徳永進さんと、詩人の谷川俊太郎さんとの往復書簡。
悲壮な本、ではありません。
終末は時にユーモラスに、時に哲学的に語られる。
死は穢れでもなく、特別なものではない、と思われてくる。
たとえば、宇宙は遠い空の上の上、成層圏の彼方、そんなふうに思いがちだけれど、今、自分のいる地球は実は宇宙の中に浮かんでいるでしょう?
遠いと思っている所、実はそこは自分のいる場所でもある、そんな意味のお話でした。
徳永さんの文章は何だか面白く、谷川さんの文章は美しい。
内容は、「文庫版によせて」にあった、『軽みにひそむ重み、(あるいは重みにひそむ軽み)』が感じられる。
何度も読み返したい本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
某所読書会課題図書: 野の花診療所の暖かい空気が随所に現れていて、徳永医師の思いが実現されている空間だと感じた.看護師さんとの連携も素晴らしく、このようなホステスで最期の時を過ごすのもいいなと思った.このような雰囲気を詩人の谷川さんが独特の言葉で表現しているのも楽しめた.詩人の発想は普通の人にはない視点があると思っている.凄いことだ.
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自分も死に近い人と関わる仕事をしているので、いろいろと思い出したり、考えさせられる内容だった。