- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022650344
作品紹介・あらすじ
武士の身分を捨て、吉野桜を造った植木職人の悲話「染井の桜」、咎人に仕立てられた十市と年寄り猫・赤爺の友情「十市と赤」、花火の破片で失明し、婚約者に離縁された簪職人おりよの矜持「闇に咲く」など、傑作短編小説6編を収録。
感想・レビュー・書評
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別れをテーマにした、女性作家6人のアンソロジー。
《ひってん》
卯吉は、寅次と二人、定職にも就かず、気ままな毎日を送っていた。ある日、訳ありの櫛職人を助け、彼から、櫛を百枚貰い受ける。それを売っている間に、商いの魅力に目覚めていくが・・。
《三途の川》
船宿の娘、お涼は、家業の「若狭屋」を手伝っている。ある日、6.7歳の侍の子が、彼岸へ向かっている兄に戻ってきてもらう為、自分も彼岸へ渡して欲しいと言ってきた。
《染井の桜》
武士の身分を捨て、植木職人になった、徳造。徳造の仕事は、世間に認められるようになるが、妻のお慶は、口数も少なくなってきた。
《橋を渡って》
おりきは、干鰯問屋「日高屋」に嫁いで17年。夫は、仕事に感け、夫婦の仲は、冷えていた。仕事が忙しいと口癖の夫は、その実、他の女を作っていた。
《十市と赤》
ミスジは、猫の傀儡子。人を操り、猫の為に働かせる。ミスジは、傀儡・阿次郎を遣い、十市の無実の罪を晴らす。
《闇に咲く》
おりよは、つまみ細工職人の娘で、得意先「近江屋」の跡取り、新之助との祝言が近づいたある日、花火の飛び散った破片が目に入り、失明してしまう。
新之助から、縁談を断られ、悩み苦しむおりよは・・。両親は・・。
別れを経験して、それをどう生かすか。
長編を読んでみたい。
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小説現代2016年3月号朝井まかて:ひってん、2018年11月創元推理文庫おっかなの晩 日本橋船宿あやかし話折口真喜子:三途の川、平凡社2008年9月茗荷谷の猫木内昇:染井の桜、週刊新潮1993年8月5日号北原亞以子:橋を渡って、ジャーロ 2015年7月号西條奈加:十市と赤、徳間書店2017年7月煌書志川節子:闇に咲く、の6編を2022年3月朝日文庫刊。三途の川がファンタジックで楽しい。本編を読んでみたい。いずれも事情のある別れで、考えさせられる話が多かった。
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アナログな時代だから場面を表現する言葉が丁寧なのだろうか。この時代に生きていたら、どんな人生だったろう。
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知らない人と出合わせてくれるところが、いい
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時代物は読まず嫌いだったが、最近はいいなって思う。人情味あふれてて。