生命保険のウラ側 (朝日新書 223)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733238

感想・レビュー・書評

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  • 確か18年程前だったと思いますが、現在では日本経済の危機本ばかり書いている浅井氏が生命保険について本を書いたことがあります。

    その内容は生命保険会社が提案する保険には、定期保険と終身保険がセットになっていて、わたしがそれまで思い込んでいた保険(死ぬ時まで有効の保険)は全体のほんの一部であることを知って驚いた記憶があります。

    保険証書を確認してみると、その通りになっていて終身部分を増やして変更しました。しかしそうすると毎月の積立部分が多くなり、生活が苦しくなったので、友人の奨めもあり、現在は掛け捨て型の県民共済にしてます。

    この本を読んで、私がとった方法はそれほど間違っていないことがわかり少し安心しました。生命保険とは、家に次いで大きな買い物であるにも拘わらず、最終的にいくら払うのかもあまり計算せずに決めてしまうものなので、保険に関する知識は、限られた給料で生活しなければならない私にとっては重要であると思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・万が一の事態にのみ備える定期保険こそが、最も保険本来の機能を引き出す可能性が高い商品である(p24)

    ・内容を理解するよりも、わかる範囲で利用できる保険を選ぶこと(p26)

    ・契約転換のキモは、それまでの契約の解約金(積立部分の積立金)を新契約の頭金に充てること(p49)

    ・10年で更新されるタイプは、保険料がどんどん高くなる、10年前の保険に10歳高い保険料で入り直すことを意味する(p54、63)

    ・代理店には、特級・上級・普通・初級のランクがあり、同じ商品を販売しても手数料が異なる(p76)

    ・損害保険であれば、医師の診断なしに入れるのは当たり前(p104)

    ・自動車保険の保険料が年間数万円で収まるのは、人口1.2億人の交通事故から30日以内に死亡した人の合計は6023人、0.005%であるから(p132)

    ・プロが入りたがる保険は、入院から31日目以降、日数無制限で給付金が支払われるもの、普通は60日が限度(p135)

    ・50歳前までに癌にかかる人は、男:2.2%、女:4.4%、64歳までで1割程度(p139)

    ・癌保険の支払は、1営業日あたり、1000人に対して12億円(1件:120万円)である、年間営業日は244日なので、1年間=365と考えると7割程度(p143)

    ・積立利率が2%とは、毎月支払う保険料から、会社経費等を差し引いた残りを2%で運用すること、5年後の解約金の返戻率がマイナスになるのはそのため(p161)

    ・生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」で、入院時の平均自己負担費用が1日:2.1万円とあるが、この数字には高額療養費制度は考慮されていない(p173)

    ・保険見直しのポイントは、1)定期保険は残す、2)特約は、すでに病気にかかっている人以外は解約、3)終身保険等は金利が高い時代(2.75%以上)のものは解約しない、である(p183)

    ・保険会社が破綻した場合に影響をうけるのは、終身保険等の積立部分、一方で定期保険部分は引き継がれる場合が多い(p201)

  • 新しい発見がいろいろある本。
    保険を考える前には必読。

  • 生命保険について書かれた一冊。

    その道のプロだけあって、内容は実践的で説得力があった。

  • お金

  • 主張は至ってシンプル。職場の定期保険オンリーで大丈夫。医療保険等々は不要。いろいろ勉強してきたけど、結局は自分もこの考えに行き着いた。

  • 参考になったし説得力がかなりあった。
    著者自身が保険代理店の人間で、著者自身も、周りの保険会社の人間も保険は定期保険だけしか加入してない人多数。

    しかも、彼らに言わせれば顧客は

    簡単な計算もできない人たち

    らしくどう考えても損。

    そして、アクサ生命や住友、ほか四社で一年で医療保険での入院給付金や、手術給付金を受ける金額の一人頭平均がなんと!20万。しかも、それも全体の1パーセント!!!!

    ほとんどが、セールスレディやらCMやらビルやら宣伝やらに使われてる事実。

    ライフネット生命だけが唯一みんなから集めたお金こういう風に使ってます!っていうのを公開したらしいけど、それでも私たちの払ってる保険料の30パーセントほど。それ以外の会社は一切公表しないところをみると50パーセント近い取り分で会社にとられているのではなかろうかと、著者。

    月5000円払ってるとしたら、ホントに安心料として使われるのは2500円で残りは一生に二度くらいしか会わないだろう保険員とかの給料に。

    世の中でいう二人に一人はガンにかかるっていうのも、80歳以降の話で、若い人たちは1パーセントに過ぎないという、、、、さらには高額医療で保険に当てた人は一年で0.01パーセントだと。。。。

    医療保険。いりますか?っていう著者の言葉。

    響きました。
    20万なら、貯金でなんとかなりませんか?と。

  • 保険について勉強しようとアマゾンでポチった1冊目。現在の保険業界のルールが分かりやすく簡潔にまとまっていて導入として読みやすかった。
    知らないことを知るとっかかりはやはり新書が一番と再認識した。

    本書が主張する保険に関する消費者の態度は至極簡単で以下の二点に集約される。
    ・入るべき保険は「貯金では対応しにくい金額、要するに大金が調達できる」できるだけ安い保険。
    ・「内容を理解して入るべき保険」ではなく、「わかる範囲で利用できる保険」だけ選べばいい。

  • 裏を知らないで保険に入ると、逆に損をしていたなんて。

  • 参考になった。

  • 実際に生命保険の営業のお仕事をされている方の書かれた本です。

    結婚をして、妊娠をする前に保険に入ったほうがいいとよく勧められるので、
    医療保険を検討するにあたり、仕組みがよくわからなかったので勉強がてら読んでみました。

    「保険は必要ない」という立場の人がそう言う理由が何かということと、
    そんな人が勧めるような保険の内容であれば検討の余地があるかと思ったからです。
    終身の生命保険とかはこのあいだ契約してしまったけど、方向転換も早ければ無駄になるお金が少なくて済むし、
    しばらく経っていたら払済にして金利を上げる形にしたりと方法があることも分かったので勉強になりました。

    このほかにもいくつかお金の勉強のために読んだ本がありますが、何れにしても「いろいろ保険や投資を考える前にある程度の貯金があることが大切」と思わされます。
    お金貯めよう。

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著者プロフィール

「保険相談室」代表
1959年生まれ。長崎大卒。95年アパレルメーカーから日本生命へ転職。約10年、営業職として在籍。2005年より複数の保険会社の保険を扱う乗り合い代理店へ。12年より現職。保険の有料相談、執筆、講演等に従事

「2021年 『生命保険は「入るほど損」?!<新版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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